Jones氏は、自身のブログで次のように述べている。
「BRMの目的は、各国の標準化団体の代表が同じ場所で討議し、仕様を技術レベルで改善していくことにあり、われわれはそれを実行した。代表者らは、いくつかのより困難な課題について合意を形成するため、技術面で多くの変更を行った。それらは圧倒的な支持の元で承認された。プロセスは実に機能している(最高にクールだ)」
しかし、Open XMLの標準化に反対する2名は、BRMには37カ国の代表が参加したが、技術的な課題については十分に話し合われなかったと述べる。
競合する文書フォーマットODFの支持者の1人は、「BRMにより、多くの人々がOpen XMLの相互運用性がこれまで以上に高まり、かつオープンになると考えるようになったとは思えない」と話す。この人物は、正式な結果が出る前の段階であるとして、名前を明らかにすることを拒否した。「今回の結果を受けて態度を変化させる者は、各国機関の代表者の中には皆無だろう」
ISOは公式見解を発表していない。29日、同機関の広報にコメントを求めたが、応じていない。
規格の専門家で、ODFを支持するAndrew Updegrove氏は先週、ジュネーブでの会議に出席し、代表者らとの会話を中心に会議の内容についてブログで詳細に報告した。
Updegrove氏によると、900のコメントのうち、議題となったのはわずか20ほどだったという。同氏は、Open XMLに関する問題について、十分に話し合われたとは言えないと結論付けている。
しかし、簡易投票の中では実際に討議されることなく決議案の多くが承認された、と同氏は述べるが、そのため多くの参加者はBRMが成功だったと総括している。
Updegrove氏は、正反対の結論を導き出し、Microsoftは当初から十分な配慮を欠いたまま複雑な仕様を理不尽に押し付けようとしてきた、と述べる。
「世界中で多くの人々がOOXMLの承認に向け懸命の努力を続けてきた。予想されたこととはいえ、1企業が自社の利益のために承認のプロセスを意図されたものとはまったく異なるやり方で利用することで、こうした人々の努力が報われないのは大変残念なことだ。今後、未完成であることが明白な仕様を投票期間内に承認するという、さらなる失策を重ねるようなことになれば、極めて不適切なことだ」とUpdgegrove氏は述べている。
各国の標準化団体の代表は、3月末までに投票内容を変えることができる。この時点で、Open XMLがISO/IEC標準として承認されたかが明らかになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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