米最高裁判所での審理へと進み、再び差し戻されるという一連の過程を経ることが求められたが、eBayと3人の従業員から成るEコマーステクノロジ企業との間で、長期にわたって繰り広げられてきた特許紛争が、ついに終結に至ったようだ。
バージニア州に拠点を置くMercExchangeは2001年以降、オークション業界の巨大企業であるeBayとの戦いを続けてきた。MercExchangeは、eBayのオンラインオークションインターフェースのうち、ユーザーがオークションに参加せずに固定価格で品物を購入できる「Buy It Now」機能が、MercExchangeの保有する3つの特許を侵害していると主張してきた。この特許紛争が始まった頃、MercExchangeは、美術品オークションサイトを含む3つのウェブサイトを運営しており、45人の従業員を抱えていた。
米国時間2月28日に発表された和解条件は非公開だが、MercExchangeにとって有利な条件だった可能性が高い。eBayはプレスリリースの中で、問題となっていた3つの特許すべてに加え、「別の関連技術や発明品、今回の訴訟の対象とはなっていなかった、他の検索関連の特許ポートフォリオのライセンス」なども買い取ることで合意したと明らかにしている。
eBayは、和解に至り、知的所有権ポートフォリオを拡大する機会に恵まれたことを「喜ばしく思っている」と述べた。今回の和解が、eBayの2007年決算や、2008年の業績予測に影響を及ぼすことはないと見られている。
MercExchangeの広報担当であるMichael Caputo氏は、MercExchangeとしても和解を「歓迎して」おり、他のプロジェクトにおいても、今後の進展を楽しみにしていると語った。
2003年に連邦陪審員団は、eBayが、(問題となっていた)特許のうちの2つを侵害したとの判断を示し、損害賠償として2500万ドル以上の支払いを命じた。この評決を控訴裁判所は支持しており、そのうえeBayに対して、特許侵害に当たるとされた技術の使用中止を求める差し止め命令を出した。
eBayは、最高裁判所への上訴に至るまで訴訟を続け、2006年春に、eBayにも有利な判決が得られている。2006年5月に(最高裁判所の)判事たちは、特許保有者が、特許を侵害する製品の差し止め命令を取り付けるのが一層困難になりかねない重要な判決を下した。多くの評論家は、特許を保有する企業が、「パテントトロール」と呼ばれる行為を働き、保有特許を侵害していると訴えた企業から、不相応な多額の和解金を得るために、差し止め命令を脅しに使っていると批判してきた。
これを受け、この訴訟は、再審理のため連邦地方裁判所に差し戻された。判事は再審理で、損害賠償金はこの特許侵害のためMercExchangeが受けた困難を賠償するのに十分であると2007年夏に判決を下した。
eBayは過去に、買い取りを決定したこの特許のいくつかについてその妥当性に異議を申し立てたことがある。そして、そのとき同社は、米国特許商標庁による再審査の始めの段階で勝利していた。
論争中の3つの特許は、米国特許番号5845265と米国特許番号6085176、米国特許番号6202051である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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