米Yahooは米国時間2月26日、 オープンサーチに関する新たな取り組みをSMX Westカンファレンスで発表する予定だ。このプログラムはまだ未公開だが、サイトパブリッシャーは自身のサイトでYahooの検索エンジンが表示する検索結果に影響を与えることができるようになる。
考えとしては、検索結果に構造化データを与えることとなる。例えば、ある製品を検索したとき、CNETのレビューが検索結果に含まれていたとする。オープンサーチでは、CNETのレビューには数的評価が含まれていれば、その数字を読みやすい形式で表示する。検索結果に含むことが可能なデータとしては、住所、電話番号、写真、関連記事など、パブリッシャー側がYahooの検索結果を見る人に対して表示したいと思う情報が該当する。
ただし、同サービスでは、検索結果の順位をサイトパブリッシャー側で変更はできない。
素晴らしいアイデアだ。検索エンジンですべてにおいて申し分のない検索解析を実行することは不可能だが、Yahooのこの取り組みにより、パブリッシャーは検索結果の順位を変えることなく以前のようにコンテンツの表示方法を変更することが可能となる。
一方で、Yahooはこのプロジェクトの名称に「オープン」の文字を冠しているにもかかわらず、このサービスが実際にどのように機能するのか、その詳細を明らかにすることについて一貫して言葉を濁している。Yahoo Searchプロダクトマネジメント担当ディクレターのAmit Kumar氏に取材した折、同氏は、現段階でサイト管理者に対して公開できる仕様は存在しないと語った。さらに、Yahooはこれまでいくつかの実験的な試み(Yahoo Local、Yahoo Tech、Yahoo Movies UK)においてこのオープン規格を活用してきたが、本プラットフォームについてマイクロフォーマットを支援することはないとする見通しを述べた。
また、大規模サイト以外を対象とした場合、この「オープン」な検索結果がどのようなものになるのか、その全容は明らかになっていない。サービスが開始されれば、YelpやThe New York Timesといった大規模なサイトは最初からYahooの恩恵に浴し、ユーザーは現在のようなテキストだけのものに代わる、構造化された検索結果を目にすることになるだろう。しかし、新しいサイトおよび規模の小さなサイトの検索結果は、ユーザーがすべてのサイトを対象とするようYahooに要望を出すか、Yahooがそうしたサイトのフォーマットを承認しない限り、従来と同じ形式で表示されることになる。
このサービスの利点は検索結果の向上だけにとどまらない(もちろんこれも重要なことではあるが)。Googleが「Google Base」で取り組んでいるように、サイトパブリッシャーに構造化データを提出してもらい、その膨大な量のデータを統合し新しく組み合わせたり、これまで以上に的を絞った広告を表示したりすることが可能となる。
検索結果の表示が改善されることから、パブリッシャーもこの機能に対して強く異を唱えることはない。しかし、長期的な観点から見た場合、問題が生じる可能性がある。ユーザーにすれば、Yahooなど検索サイトからお目当てのコンテンツを解析、表示することができるのに、なぜサイトのホームページにアクセスする必要があるのか、というわけだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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