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連日高値更新の“老舗”MTI、何が追い風を支えているのか

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 携帯電話コンテンツ配信のエムティーアイ(MTI)が上値追いを続けている。全般相場が停滞する中でも連日で2007年来高値を更新。21日には3月末割り当てで1対2の株式分割を実施することも発表した。

mti

 常に新しいモノが求められる新興市場にあって、MTIは老舗の部類に入る銘柄。未成年利用者に対するフィルタリング規制の影響も懸念される業態でもあるが、2007年後半から本格的な見直しが進んでいる。

新規事業頓挫の懸念が浮上したが

 今9月期の3月中間業績は1月末に大幅上方修正済み。連結売上高は従来予想通り前年同期比20%増の106億7000万円だが、経常利益は従来予想1億2000万円から5億円(前年同期は100万円)へ増額した。2007年12月末の有料会員数は前期末から28万人増えて567万人となった。

 主力のコンテンツ配信事業では、着うたフルや電子コミックといったいわゆるリッチコンテンツの市場が拡大中。デコレーションメールでも会員数が伸びている。市場が縮小傾向にある着メロの会員数減少も想定以下に収まっている。

 一方、通期の業績計画は当初予想を据え置き。売上高計画は前期比23%増の227億4000万円、経常利益は同55%増の16億円。下期以降に市場が急拡大中の電子コミックへの投資などを計画しているためだが、足元の好調から増額修正期待も高まっている。

 MTIは課金ビジネスのほか、無料サイトによる広告ビジネスも展開。デコメールサイトなどを運営、2007年12末時点で319万人の会員を抱えている。同12月にはブログ、SNSサイトの「ログとも」を開始するなど本格的な展開に着手した矢先、フィルタリング規制の話題が急浮上した。

 期待の新事業にいきなり、事業頓挫の懸念が浮上した格好だ。しかし、MTIの株価は「モバゲータウン」のディー・エヌ・エーやSNSサイト「mixi」のミクシィなどに逆行した、比較的楽観的な反応となっていた。なぜか。

キャリアの公式サイト運営にとってはプラス

 これについて、ひとつの背景はMTIの広告ビジネスがまだ立ち上がったばかりであることが挙げられる。広告ビジネスの全売上高に占める構成比はまだ数%。仮に総務省のフィルタリング規制がモバイル広告事業者にとって厳しい内容で、広告ビジネスが頓挫したとしても、全体の収益動向に与える影響は小さいものになりそうだ。

 MTIの収益を支えているのは、携帯電話キャリアの運営する公式サイトでの有料コンテンツ配信事業。今回のフィルタリング規制はモバイル広告ビジネスにとってはマイナスとなる可能性があるが、キャリアの公式サイト運営にとってはプラスになるのではないかとの見方も広がっている。

 18歳未満向けに限られるような広告主は多くない。業界関係者の中には「規制をきっかけに18歳以下のユーザーが公式サイトに戻るのでは」との声も聞かれる。MTIにとっては、フィルタリングの影響が軽微ならば広告ビジネスの収益寄与が、逆に影響が大きくても有料配信ビジネスの再成長が期待できる状況にあるのだ。

 現在、株式市場には、20社以上のモバイル向けのコンテンツ配信会社が上場している。上場時期から見れば老舗のMTIだが、波乱相場、波乱の事業環境下で抜群の強さを発揮している。

 株価は2008年の年初、20万円台で推移していたが、足元ではあのライブドアショックの前、2006年1月以来の50万円奪回をうかがう展開となってきている。3月末には株式分割を行い、再び投資しやすい株価水準となる見込みだ。

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