IBMは、同社の「xSeries」サーバ技術を中国の聯想集団(レノボ)にライセンス供与する。レノボが独自のIntelベースのサーバを製造できるようにすることが狙いだが、今回の決定に対し、販売業者から懸念の声が上がっている。
レノボは先週初め、ノートPC「ThinkPad」やデスクトップPC「ThinkCenter」と同じ流通経路を活用して、中小企業向けにIBMベースのx86サーバを販売する計画を発表した。しかし、今回の決定は、2005年の上記のノートPCやデスクトップPCのケースのように技術を買収したものではなく、ライセンス供与を受けるに過ぎない。IBMは今後もxSeriesサーバの販売を継続する。
今回の提携により、IBMがハードウェア販売事業をさらに縮小するとの見方が出てきそうだ。だが、両社ともこうした見方を否定し、レノボの流通経路によりIBMのサーバ製品は新たなユーザーを獲得できると述べる。レノボ製xSeriesは、1つまたは2つのプロセッサシステムで構成され、小規模企業向け製品の上位に位置づけられる。一方、IBMでは、「zSeries」メインフレームまで広がるサーバ製品の下位に位置づけられる。
ロンドンに本社を置くIT販売サポート企業Qual-ITの取締役を務めるNick Christou氏は「私にはあまり意味があることとは思えない」と語る。「IBMがブランドについて、従来どおり維持するか、あるいは売却するかのどちらかだと思っていた」Qual-ITは、ノートPCおよびサーバを小規模企業向けに販売する企業で、これまでサーバについてはIBM製品を主に取り扱ってきた。Christou氏は「これまでIBMを選んできたのは、価格帯、品質、そしてユーザーが彼らに持つ企業イメージが理由だった」
同氏は、IBMのサーバを返品せざるを得なくなったことはこれまで1度もなかったとしながらも、IBMの名が外されることになった場合、同社はxSeriesの販売を終了するかもしれない、と述べた。「率直に言って、そのようなことになれば、Hewlett Packard(HP)に乗りかえる可能性もある」とChristou氏。「ここしばらく、HPのサーバにより注目している、コストパフォーマンスに優れているためだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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