オランダのユトレヒトに本社を置くウェブサイト監視会社のWatchMouseは現地時間1月10日、ソーシャルネットワークやブログコミュニティー、ブックマーキングサイトなど104のソーシャルメディアサイトのパフォーマンスに関する調査結果を公表し、全体的に「遅く、アクセスしにくい」とする評価を下した。
WatchMouseは、「Site Performance Index」(SPI)という自社の手法を用いて対象となったサイトの信頼性およびロード時間を調査した。サイトのホームページを表示するのに要した時間を測定し、失敗する毎にペナルティーを加えるという方法で指数を算出した。この値が低いほど優れていることになり、SPIが500なら優良、1500以上の場合「ユーザーにひどくネガティブなサービスを提供している」と見なされる。
調査結果によると、ソーシャルネットワークは全体的に信頼性が低く、対象となった104のサイトの内、51でSPIが1500以上を記録し、500を下回ったのはわずか6つの小規模ソーシャルネットワーク(Faceparty、Tagged、ASmallWorld、Flirtomatic、Rummble、StudiVZ)にとどまった。WatchMouseのブラックリストで最上位に上げられたのがFacebookだ。SPIは実に6629。これまで調査対象となったどのサイトでも見られなかった最悪の数値だ。頻繁なダウンタイムがある種ジョークの種となっているマイクロブログサービスのTwitterをも上回っている(WatchMouseによるTwitterへの評価はSPI1467)。
今回の調査結果について、Facebookは反応を示していない。
パフォーマンスが悪いと評価を受けたその他のソーシャルメディアサイトの多くが、Searchles(SPI 5856)や RateItAll(SPI 3370)などのように必ずしも高い知名度を誇っている訳ではない。2007年にCBS Interactiveに買収されたLast.fmのSPIは1837、急成長を続けるBuzznetは1868、そしてMogは1911を記録するなど、音楽関連のソーシャルネットワークへの指数がふるわない傾向にあるが、これは、こうしたサイトにホストされているストリーミングメディアの容量が原因と思われる。
しかし、WatchMouseは、大手ソーシャルネットワークの多くはそれほどひどい状況にあるわけではないとしている。2006年夏には熱波によりサービスが休止に追い込まれたことのあるMySpaceは923と健闘した。ビジネス向けに特化したソーシャルネットワーキングサイトのLinkedInは1006、若者をターゲットにしたBeboは912を記録した。米国では3番手だがインドやブラジルでは圧倒的はシェアを誇るGoogleのOrkutは564と、他社にとってうらやましい結果となった。
WatchMouseは現在のところ、唯一無二の企業だが、どんな調査手法にも限界はある。トラフィック監視統計をめぐる議論がその好例だ。SPIは、ソーシャルネットワークの個別のページではなく、ホームページのロード時間と信頼性に基づいて算出される。一例を挙げると、監視の対象となるのはMyspace.com/whinyemobandではなくMyspace.comだ。インターネットのパフォーマンス監視を手がける他社が同様の調査を実施した場合、結果は異なったものになるだろう。現在その内の数社にコメントを求めている段階だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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