今回のテーマは「進化するeラーニングの利用範囲の拡大と利用意向についての調査」
コンテンツの増加と受講者の広がりによって再び注目されているeラーニング。企業でも研修に活用するケースが増加している。そこで、実際に活用したことのある立場から、eラーニングの利用目的と利用意向について調査した。
今回の調査は2007年12月21日〜12月23日で行い、全国の20歳以上のビジネスパーソン1,051人(20〜29歳 24.2%、30〜39歳 24.8%、40〜49歳 25.4%、50歳以上 25.6%)から回答を得た。
まず、会社で実施する研修を除き、自主的に自己啓発に取り組んでいるか尋ねたところ、54.3%が取り組んでいないと回答。全体の半数以上がこのように答えていることから、自己のキャリアアップを実現するために会社から与えられるもの以外で自らの意思によってスキルの向上を図る人は少ないことがわかった。
それでは、自主的に自己啓発を行っている人はどのようなことをしているのか。自主的に自己啓発に取り組んでいる人にその方法を尋ねたところ、場所や時間を選ばずに学習できる「読書」「インターネット検索」と回答する人が多かった。しかし、同じようにPCがあれば場所や時間を選ばずに学習ができ、かつ自分のペースで進められるeラーニングは19.6%と書籍やネット検索に比べると利用者が少なく、まだあまり普及していないようだ。
次に、社内研修でeラーニングを利用したことがあるか尋ねたところ、約3割の人が「利用したことがある」と答えており、それをポジション別にみると管理職に就いている人のうち48.2%は利用していることがわかった。企業変革のキーマン層といえる中間管理職は会社から求められることも多いことから、その知識蓄積のためeラーニングを積極的に活用しているという状況がうかがえる。
また、受けたことのある人にその内容を覚えているか尋ねたところ7割以上の人が「覚えている」と答えたことから、社内研修にeラーニングを活用することが非常に有効であることがわかった。
会社以外でスキルアップを行わない社員にとっては、企業が実施している研修だけで自己啓発に取り組んでいる可能性があることから、このような有効な手法は企業側も積極的に取り入れ、より研修の効果を上げるための工夫が必要になるだろう。
どのようなeラーニングを行なっているのだろうか。eラーニングの内容を尋ねると、コンプライアンス(62.3%)や情報セキュリティ(51.0%)など、企業側が社員に認識していてもらいたい内容に対してeラーニングを活用しているケースが多いことがわかった。
しかし、社内研修としてeラーニングを活用する際に望むことを尋ねてみると「自分が学習したい内容が用意されている」と回答した人が66.7%いることから、企業側が提供している内容には満足していないことがわかった。
より効果的にeラーニングでの研修を行うためには、まず、社員が学習したい実務に直結した内容の研修を増やし、効果を最大化するために、疑問や質問に答える双方向性や繰り返し復習できることが望まれている。また、音声や映像を利用したクリエイティブなコンテンツによって、飽きずに楽しく学習できる機会を与えることも必要であることがわかった。
eラーニングを活用して社員の自己啓発を促し、受講した内容を継続して実務に活かすためには、企業の研修担当者による工夫がより一層求められている。
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