ラスベガス発--まず、シャープがテレビで厳選されたインターネットコンテンツを視聴できるプログラムを発表したが、そのわずか2時間後に、今度はサムスン電子が同様の発表を行った。
PC-TVは復活するのだろうか。
韓国電機大手のサムスン電子がUSA Todayと提携した。これにより、USA Todayのウェブサイト上のニュース記事や天気予報といった情報がサムスン電子製のハイエンドテレビで閲覧可能になる。つまり、テレビのスイッチを入れると、そこにニュースの見出しが表示されるのだ。このテレビは、組み込みのイーサネットジャックを通じてインターネットに接続される。
サムスン電子は、現在ラスベガスで開催されている世界最大の家電展示会Computer Electronics Show(CES)で記者会見を行った。その中で、同社の戦略的マーケティンググループ担当ディレクターであるNelson Allen氏は、「(試用期間中に)最も人気を集めているのが天気予報だ。ユーザーはこの天気予報を利用して、その日の服装を決めている」と語った。厳密に言えば、CESの開幕は7日だが、多くの大手メーカーが6日に記者会見を行う。また、2008年にMicrosoftを退職予定のBill Gates氏が基調演説を行った。
Allen氏は、つい最近(USA Todayとの)契約を交わしたばかりだ、と語った。
シャープのサービスと同様、サムスン電子のサービスでもインターネットを自由に閲覧はできない。USA Todayのコンテンツは、専用サーバを通じて提供される。消費者はそれぞれのサービス経由で直接ビデオを手に入れることはできない。しかし、シャープは間もなくビデオの提供を開始する予定だとしている。また、サムスン電子もPCを使ってネット上で入手したビデオをテレビで視聴できるアドオンを提供している。
どちらのサービスも料金は無料だ。シャープ製テレビの価格は、サービスが利用可能なモデルが利用できないモデルに比べ200ドルほど割高だ。ただ、同社関係者によると、今後価格は下がるという。サムスン電子も無料でサービスを提供しているが、今のところサービスが利用できるのはハイエンドテレビに限られるという。
これら2つのサービスは、テレビとPCの融合という業界の長年の願いを反映している。10年前、CompaqやGatewayなどのPCメーカーが大画面製品を発売したが、価格が高かったことから売り上げは伸びなかった(その後、両社はともに買収されたが、その原因はテレビの売り上げ不振ではなく、より大きな別の問題だった)。
その後、「WebTV」などの高性能セットトップボックスが登場した。それらも鳴り物入りで発売されたが、ほとんど売れなかった。
また2007年のCESでは、ソニーがアドオンボックスを通じてビデオや情報を入手できるサービスを発表したが、加入者数は伸びていない。
しかし、シャープとサムスン電子のサービスは以下の3つの点で期待が持てる。第1に、人々はこれまでとは異なり、テレビを通じてインターネット上の情報を取得したいと考えている。第2に、天気予報やニュースの見出しを見るなら、PCを起動させるよりテレビのスイッチを入れる方が簡単だし、便利だ。第3に、人々は有料サービスに加入したり、新たなセットトップボックスを購入したいとは考えていない。
このようなサービスは米国では新しいが、メーカーは以前から試験的に提供してきた。松下電器などのメーカーは、数年前から自社製品のショールーム内で、インターネット上のニュース記事を大型テレビで視聴可能にする方法を公開してきた。私はそれらを何度も見てきたが、実際素晴らしいと感じた。またシャープも1年ほど前から日本で同様のサービスを提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス