先ごろの投稿で、われわれはBest BigCo of 2007(2007年最良の大企業)にFacebookを、Best LittleCo of 2007(2007年最良の中小企業)にはTwitterを選んだ。この記事では、Most Promising for Web in 2008(2008年のウェブで最も期待できるもの)を発表する。
もともとは、2008年の最有望ウェブ企業を選ぶ計画だった。しかし最後には、ReadWriteWebチームは去年のTime誌の「パーソンオブザイヤー」に「あなた」を選んだ例にならうことを決めた。
この例と同様、オープンソース運動に優るウェブ企業があるとは思わない。オープンソース運動は、すべてのウェブ企業をつなぐという巨大な衝撃を与えようとする、緩やかに組織されたグループだ。
2007年にウェブ上で大きくなったオープンソース運動の例は多い。
- ウェブブラウザに関して、2007年にMicrosoftのInternet Explorerのシェアを大きく奪ったMozillaのウェブブラウザFirefoxが最もよい例だろう。Operaも12月半ばに欧州でMicrosoftとの法的な争いを始めており、訴えのひとつとしてオープンソース標準を備えていないことを挙げている。
- ソーシャルネットワークもオープン化されつつある。Facebookのプラットフォームと、それに続くGoogleのOpenSocial(ウェブ上でソーシャルアプリケーションを構築するための一連の共通API)がオープン化され、今ではすべてのソーシャルネットワークがプラットフォームをオープン化しつつあるようだ。完全にオープンなものは1つもないが、これもいずれ現実となりそうな流れにある。
- モバイルウェブのオープン標準策定に向けた動き:Tim Berners-Lee氏とW3Cはこれを推し進めつつある。また、Ruby De Waeleはこのブログで、モバイル2.0とは「オープン標準、オープンソース開発、オープンアクセスであり、ユーザーの選択肢を作り出し、それを電話会社が(依然として)使っている壁に囲まれた庭園に取り込まれないようにする」ことだと書いている。
ここで、Googleが2007年11月に発表したオープンソースのオペレーティングシステムである「Android」モバイルOSに触れておいた方がよいだろう。すべての携帯電話端末メーカーは、Androidをインストールし、基盤として利用することができる。これによってGoogleのアプリケーションやそれらのアプリケーションをサードパーティアプリケーションを組み合わせたマッシュアップを広範囲で使えるようになり、例えばカーナビゲーションシステムなどの携帯電話以外の携帯デバイスにもいずれは使われるようになるという。
- ウェブコミュニティの構造化データのオープン標準であるマイクロフォーマットも非常に有望だ。2008年には、FirefoxだけでなくIEにも実装されると見られている。
- オープン認証の仕様OAuthに分散的に取り組む開発者グループは最近、将来バージョン1.0にしようとしている仕様書の最終ドラフトを発表した。OAuthの仕様は、アプリケーションが他のアプリケーションのユーザー情報にアクセスする際にアクセス許可を求めたり、情報を持っているサービスが保持しているデータへアクセスするルールやオプションを伝えたりするための標準的な方法を作るものだ。
- オープンIDシステムであるOpenID 2.0が12月にサービスを開始した(Marshall Kirkpatrickのレビュー記事を参照のこと)。2008年には、さらに多くのインターネット企業が触媒として利用することが予想される。
- オープン広告ネットワークはGoogle Adsenseの代替案で実現可能なものだ。われわれは6月にOpenAdsと呼ばれる取り組みを紹介している。2008年の展開は興味深いものになるだろう。
2008年に活躍しそうなウェブ上でのオープンソースの試みをもっと挙げることはできるが(コメント欄でぜひ挙げてほしい)、Alex Iskoldは「オープンデータ」の潜在力を次の下のようにまとめた。
Alexは記事のなかで次のように書いている。「古い見方では、データを開示しないでいることは競争上有利だった。新しい現実では、データの公開が優位化戦略になる。情報を守るのに汲々とするのを止めて、APIを提供し、それに課金し始めることが現実的な打ち手なのだ」
全体としては、2008年はウェブ上でのオープンソース運動の当たり年になるだろうと考えている。読者はどう考えるだろうか。他にウェブのどの部分が2008年にオープンソースへの取り組みに向けた準備が整っているだろうか。
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