モバイル市場における企業のマーケティング活動にフォーカスしたイベント「モバイル・ビジネス・サミット2007 マーケティング・エディション」が12月7日に開催された。
パネルディスカッション「モバイルマーケティング技術の新潮流」では、ZINGA 代表取締役社長 大森洋三氏がモデレーターを務め、グーグル広告営業企画 シニアマネージャー 高広伯彦氏、シーエー・モバイル インターフェイスメディアグループ マネージャー 神田卓也氏、ケイタイ広告 代表取締役社長 小野達人氏がスピーカーとして参加。各社の最新モバイルマーケティング技術を紹介した。
グーグルは、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることを目指している。それはウェブだけではなく、PCの中にある情報も対象となる。しかも、情報が欲しいと思ったとき、デスクに向かっていても車で移動中でも最高のサービスを提供することを目標としているという。
これは、グーグルが発見した10の事実の5番目、“情報を探したくなるのは机に座っているときだけではない”にも書かれている。この点で重要になるのが、ユーザーにもっとも身近なプラットフォームである携帯電話だ。
PCでは検索窓から規模の小さなロングテールサイトへの誘導が行われている。これと同じことがモバイルでも起きると予想されている。モバイルでの検索が、コンテンツや広告主にとっては消費者と出会うチャンスを広げることにつながる。
最近、グーグルはメディアではないと話されることが多いようだ。グーグルは、例えばモバイルで言えばBiglobeやmixi、auなど様々なパートナーがいることでサービスが成立している。広告主にとっては複数の媒体を結ぶプラットフォームになっているのだ。そのプラットフォームの中に、モバイル版のコンテンツ連動型広告もある。これにより例えば、モバイルインターネット上のバンド募集の掲示板にライブハウスの広告を出すといったことが可能となっている。
これまでの広告といえば企業が商品やサービスにあった消費者を探しているという、企業側からのアプローチしかなかった。しかし、今では消費者が広告に自ら近づいている。つまり、消費者は自分にあった商品の情報を探しているということを理解しないといけないという。その間をいかに繋げるかと努力しているのがグーグルのサービスになのだ。
シーエー・モバイルはきせかえツールを使ったプロモーションの事例を紹介した。きせかえツールを使うと、待受け画面からメニュー画面まで入れ替えられる。
たとえば温泉をテーマとしたきせかえツール「日本の名湯」。着信、メール送信などを含め各メニューの項目に対して、温泉に関連した画像などが表示される。各画像は旅行会社が取り扱っている温泉関連商品の画像となっている。
まさに携帯電話をまるごとプロモーションツールにしてしまう試みである。毎日使う携帯電話だからこそ、見る時間も多く、商品に対する理解度も進むという。
ケイタイ広告は、雑誌社のモバイルサイト331サイトを立ち上げている。460誌と契約しており、雑誌社には無料でモバイルサイトを提供する。30万人以上のユーザーに対して月に1回以上、雑誌発売や内容などの情報を掲載したメールを配信している。そのメールに広告を入れているのだ。
ユーザーの属性は、年齢だけでなく住所、職業なども把握しているため、属性別に出したいターゲットに広告が打てるようになっている。これにより、5パーセント以上の高いクリックレートを実現した。
広告の進化について、シーエー・モバイルの神田氏は表現力やスピードの向上のほか、ユーザーが携帯電話の操作に慣れていることが重要だという。グーグルの高広氏は、技術の進歩より人間の進歩の方が遅いことを説明した上で、新しい技術に付いていける人がどのくらいいるかが重要と語った。
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