英国で税の徴収などの業務を担当する政府機関である歳入関税局(HMRC)は、年金の受給を申請した6500人以上の個人情報を紛失したことを認めた。
歳入関税局の広報担当は現地時間12月18日、9月にデータの入ったカートリッジの行方が分からなくなった後に、ウェールズ最大の都市である首都カーディフにある歳入関税局の事務所で、個人情報が紛失したと述べた。そのカートリッジは、生命保険・年金会社のCountrywide Assuredからカーディフの事務所に送付されたものである。
Countrywide Assuredの親会社であるChesnaraの最高経営責任者(CEO)であるGraham Kettleborough氏によると、カートリッジには、氏名、住所、国民保険番号、年金資産積立などの情報が含まれているという。
歳入関税局の広報担当は、そのカートリッジには同事務所に届いた日付が記入されたものの、その後行方不明になったと述べる。しかし、同広報担当は、カートリッジ内のデータはメインフレームコンピュータからのみアクセス可能であるため、関係する個人情報が危険にさらされるリスクは「非常に低い」としている。
Kettleborough氏は、個人年金の保険証書に関して、「正しい税の追加を保険証書に加え、人々の正確な数を得るために」歳入関税局に報告書を提出したと述べる。
歳入関税局のDave Hartnett事務局長は先週、今回の情報紛失の概要ついて英国家財政委員会の特別委員会に報告した。
漏えいした個人情報が、なりすまし犯罪やそのほかの違法活動の利用を目的として詐欺師らに売却されたことがこれまでにある。
Chesnaraは、影響を受ける人々に文書を送付し、状況の説明と謝罪をしていると述べている。
歳入関税局は18日に声明で、「われわれはこの個人情報の紛失を大変深刻に受けてとめている。データカートリッジを捜し出すためにあらゆる手を講じている。影響を受ける方々には心からお詫びする」と述べている。
今回の個人情報紛失は、一連の紛失事件では最新のものとなる。そのうちの7件は2007年に、歳入関税局に影響するものである。
歳入関税局は11月、児童福祉手当の受給者2500万人の銀行口座情報を含んだ個人情報を紛失したことを認めた。一方で、運転免許試験局は今週に入ってから、運転免許試験受験者300万人の個人情報を紛失したことを明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」