英国歳入関税庁は、2500万人の個人情報を紛失したと発表した。これにより英国の725万世帯が影響を受ける可能性があるという。
財務大臣のAlistair Darling氏は現地時間11月20日、英国で児童手当を申請し、給付を受けたすべての個人の情報が入った2枚のディスクが紛失されたと議会で語った。
ディスク上の情報は、氏名、住所、生年月日、国民保険番号、銀行や住宅金融組合のアカウント情報が含まれていたが、パスワードでしか保護されていなかった。
アシスタント情報コミッショナーのJonathan Bamford氏は、「これは英国政府による史上最大の個人情報紛失事件である。判明している事実を総合すると、明らかにデータ保護法の重大な違反であるように思われる」と語っている。
Bamford氏は21日、ウェストミンスターで開催された、議会の個人情報保護強化技術に関する会議である「Fine Balance」で発言し、個人情報は安全に保管するべきであるとする項目など、データ保護法の8つの原則のいくつかが「明らかに侵害された」と述べた。
Bamford氏はさらに、データ保護法の持続的または深刻な違反に対してはより重い刑罰を科すべきであると言い添えた。現在、英国においてデータ保護法の持続的または深刻な違反に対する最も重い刑罰は、5000ポンド(1万300ドル)の罰金であり、犯罪者の起訴は、情報監査局が情報の侵害や別の侵害の発生に基づく通告を出した後にしかできない。
「これは極めて深刻な事態だ」とDarling財務相は述べている。「歳入関税庁は、同庁に期待されている高い基準を守ることができなかった。英国中の何百万人もの国民が不安を感じるだろう」(Darling財務相)
ディスクは10月、会計検査院の調査の際に紛失した。歳入関税庁の若手職員が暗号化していないディスクを会計検査院に送付したが、歳入関税庁は11月8日になるまで監査に使用するディスクが届いていないことを知らされていなかった。Darling財務相自身が紛失の事実について報告を受けたのは11月10日のことであり、ディスクが会計監査院に到着せずに紛失してから3週間が経過していた。
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