ナチュラム活況は実力か、市場低迷の反映か

 フィッシング用品、アウトドア用品、健康食品などのインターネット通信販売を手掛けるナチュラムの活況が続いている。

 東証マザーズの時価総額トップだった「モバゲータウン」などのディー・エヌ・エーが東証1部に卒業した12日を前後して、ネット株人気が一巡。手掛かり材料にも乏しくなってきた新興市場全般は、市場のエネルギーも不足し始めた。

「直近上場銘柄の数不足で人気が集中した結果」

 ナチュラムは2007年10月19日に大証ヘラクレスへ新規上場した。上場時の市場からの吸収金額が5億円足らず、IPO(新規上場)マーケットで人気のネット株、初値倍化確定のパターン。しかし、ナチュラムの株主構成を見てみると、ベンチャーキャピタルがずらりと並んでいる。彼らは投資した企業が株式公開したら、株を売るのが職業。需給が命のIPOマーケットにあってそれは大きなマイナスであり、初値は公開価格を59%上回る35万円にとどまった。

 上場後も需給面への懸念から調整が続き、上場から1カ月も経たない11月12日には、一時初値比60%安の14万円まで売り込まれしまった。

 注目はその後の値動き。上場後、人気が離散した銘柄の多くは安値圏で狭いレンジでの値動きを続けながら売買高を縮小させ、市場関係者の記憶から遠ざかり、また投資対象としての魅力を後退させていく。

 ナチュラム株は11月12日の安値を基点に切り返す。連続ストップ高も交えて上昇し、12月4日には同安値比2.1倍の30万2000円まで戻った。

 この強い値動きについて市場では「直近上場銘柄の数不足で人気が集中した結果」と分析されている。

年末のIPO需要期も月9社と前年同月比大幅減

 例年、12月は年末の駆け込み需要でIPOが殺到する。しかし2007年は月9社と、2006年の30社から大幅に減少する。また、1月はブックビルディングなど、株式公開に伴うスケジュールに正月休みが入るのを嫌うため、カレンダー的に毎年、IPOがほとんどない。ちなみに、同じようにゴールデンウィークがあるIPOは5月も少ない。

 IPO銘柄の不足は9月以降、顕著化してきた。ただ、ここにきてエネルギー不足に陥った市場は、マーケットに流通する株券が限られることで値動きが軽く、少ないエネルギーで手掛けられる直近上場株を求めている。9、10、11月に上場した銘柄で純粋なネット株はナチュラムのみ。これから上場する銘柄も含めて年内まで時期を広げても、NEOのウェブマネー、「ZOZORESORT」のスタートトゥデイが増える程度だ。

 ナチュラムの人気化は、業績動向や将来性などより、直近上場銘柄が少なく、さらにネット株がほとんどないことによる、消去法的な理由が大きいようだ。

 ナチュラムの2008年1月期業績は連結売上高が前期比19%増の41億1400万円、経常利益は同9%増の1億3600万円を計画している。12月7日に発表した第3四半期(2〜10月)決算で、1億200万円の経常利益を計上していることから、計画上ぶれ期待があるものの、前期実績の売上高29%増、経常利益2.2倍と比べると物足りない数字だ。

 市場ではそろそろ、同社の来期の業績再成長を期待し始める。株式公開費用の負担もあった今期の業績成長鈍化から、来期以降、同社がどういった成長路線を示すかを注目している。会社側では既存分野での取扱商品数増加と、スポーツ・フィットネス系など、取扱商品の拡大などによる中期的な成長を掲げている。

 株価が今後、時価水準をキープ、また10月19日に付けた初値35万円を奪回していくには、来期業績の高成長や明確な成長戦略を示すなど、株式市場に実態面を評価させる材料が必要となってきそうだ。

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