ひとつは、情報の速さと深さです。この点はASPサービスを提供している企業には、高く評価していただいています。10年間で培った経験や鉄道会社との長い付き合いが当社の大きな資産になっています。
独自開発のエンジンも強みです。たとえば、ある人材派遣会社に提供しているエンジンでは、求人を任意の区間内、もしくは「自宅からN分以内に通勤可能」といった条件で探せます。このエンジンを応用すれば、「ある駅から徒歩N分以内に住んでいる人」といった条件で地域広告を配信することも可能です。こういった強みをどう生かすかが今後の課題です。
駅探の会員数はサービス開始以来、減っていません。ただ、正直伸び率は鈍化しています。しかし他社との連携など、やり方を工夫すればまだまだ伸ばせるはずです。ASP提供先からユーザーを誘導することも視野に入れ、利用シーンを細かく分析しながら、当社のサイトを構築し直すことも考えています。
当社のサービスを利用しているユーザーの目的は多岐に渡ります。単なる乗換案内ではなく、いかにユーザーの生活に合ったサービスを展開できるかが大切なんです。
それに合わせてユーザー数が増えれば、いいのではないでしょうか。そもそも路線情報は手帳の中にも入っているくらいですから、あって邪魔になるものではないんですよね。
ただし、たとえ機能が上がったり細かくなったりしても、それを感じさせないようにすることが重要じゃないかと思います。サービスの背後で動いているシステムは高機能なんだけども、表面はユーザーに優しいものを提示していくべきだし、そうしないとユーザーは離れていってしまいますよね。
当社が9月にスタートした「乗換•おまかせアドバイス」は、細かい条件設定をしなくても乗り換えの有無や乗り換え区間の歩く速度など細かな案内まで例示します。こういったものをいかに提供できるかが重要になるでしょう。
どうしようか思案中です。海外では公共交通機関の正確性が日本ほど求められないのではないかと思います。ここまで時間にきっちりしているのは日本人ぐらいかもしれないですね。
ユーザーの反応をみながらですね。乗り換え案内の場合、首都圏在住のユーザーが多いので、どうしてもそこに焦点を当てざるを得ません。政令都市ぐらいまでは同じように展開できるでしょうけれど、それ以外の場所でどうなるのかというのは未知数です。海外と同じような状況ですね。
我々のサービスは、ユーザーの生活行動パターンに大きく依存しています。だからこそ面白いんですが、バリューポジションを明確にしないとサービスになりません。
IPOについては、ファンドに入っていただいたこともあり、もちろん将来的に目指しています。そのためにはまず業界でトップに立ち、「乗り換え案内やルート探索ならば駅探」と言われるようにしたいなと。
競合としてはNAVITIME、ジョルダン、ヴァル研究所などが挙げられますが、まずは情報機器を使って移動することが便利だという意識を広めないと、市場が拡大しません。今はまだ市場の開拓期なんです。ユーザーが気付いていない潜在的な利用シーンはまだまだあるはずですから、ライバル企業と競い合いながら、市場を拡大していきたいと思います。いかに、新しい経験をユーザーに提供できるかを考えていきたいですね。
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