DeNA、東証1部に市場変更--新興銘柄「冬の時代」終焉の兆しも

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 ディー・エヌ・エー(DeNA)の株価が上げ続けている。新興市場の堂々たる主力銘柄として、日々、株式市場で注目を集める存在となった。12月12日には東証1部へ市場変更する。

 同社はネット競売「ビッターズ」、モバイル競売「モバオク」、モバイルSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイト「モバゲータウン」など、さまざまなネットサービスを手掛ける。時価総額は3760億円で、東証マザーズのトップ銘柄(新興3市場では4位)だ。

 2005年2月に株式上場を果たした企業だが、当時の新興市場の主役は楽天やライブドア。バイオベンチャー全盛期だったこともあり、社名からバイオ系企業と勘違いされることまであった。

 新興市場が2006年1月の“ライブドア・ショック”の傷をまだ抱える中、DeNAは“ライブドア・ショック”直前の高値の2倍近い水準で推移する。11月29日には83万1000円まで上昇し、株式分割を考慮した上場来高値を更新。2007年は年間を通じて大きな調整を挟まず、右肩上がりの上昇を続けている。

 ニセバイオ企業扱いされていた会社が、3年も経たないうちに株式市場の主役に踊り出た。

 足元の新興市場はDeNAを中心にmixi、フルスピードなど時価総額の大きいネット系企業が人気を集めている。新興市場は11月最終週から、東証マザーズ市場を軸に勢いを取り戻してきた。

 北米のサブプライムローン問題の長期化や不安定な為替市場の動きを背景に、東証1部市場は神経質な動きとなっている。それを敬遠する投資家は、外部環境の影響を受けにくい、国内で稼ぐいわゆる内需株に資金をシフトしている。

 こうした中、インターネット系、ソフトウェア系企業の多い新興市場は、株式市場全般からみた内需株の一角として人気を集めている。

 新興企業の業績成長力は2006年度に一度鈍った。業績成長率で東証1部上場企業に劣るなど、投資妙味は後退していた。しかし、2007年度は原材料価格高に苦しむ大企業に比べ、鈍化後の回復局面にある新興企業の優位性が強まっている。

 DeNAは「モバゲータウン」の会員数が右肩上がりで増え続けており、業績の成長速度にも加速がついてきている。2008年3月期は連結売上高255億円(前期比80%増)、経常利益90億円(同95%増)を計画する。10月末時点の「モバゲータウン」の会員数は779万人。1年前は193万人だった。テレビコマーシャルの効果などにより、会員数は順調に拡大している。

 足元の業績成長率が抜群であるうえ、中長期的な成長期待も大きい。

 モバイルインターネットの市場は急速な拡大を続けているが、今後についても「電通などが算出している将来予測より、高い成長率が期待されている」(アナリスト)。DeNAの7〜9月の売上高63億9900万円のうち、モバイル関連は50億600万円と、実に78%を占めている。今後も、モバイル関連を中心に業績を伸ばしていきそうだ。

 “ライブドア・ショック”以降、新興市場は長く、険しい下げ相場が続いた。企業の業績は悪化し、投資家の評価の基準も日増しに厳しくなっていた。

 しかし、足元では業績面に回復色が出てきているほか、株式の需給面にも明るい兆しが強まってきている。

 米スタンダード&プアーズが日本の新興市場銘柄で構成した「S&P日本新興株指数」を開発、算出を開始した。2008年春には東証に新興株ETF(株価指数連動型投資信託)が上場する見込みにある。このほか、2008年春には公的資金による新興株の運用も開始される見通しだ。

 これまでの新興市場は売り手しかいなかった。しかし現在は、それが一変する手前にあるとみられている。

 機関投資家が買う銘柄は、業績面はもちろんのこと、流動性や時価総額などの基準をクリアした、いわゆる優等生銘柄。DeNAは東証1部に市場変更するが、今後も同社のような優等生銘柄を多数排出できるか否かが新興市場活性化のカギを握っている。

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