RSSフィードの真価はコンテンツを「ページという檻」から解放することにある

阿部樹(フィードフォース)2007年12月06日 07時00分

 このコラムをお読みのみなさんは、「RSSの使い方」というとどのようなイメージを持たれるでしょうか?

 多くの人は、「RSSリーダーを使って、メールのように読むもの」と思われるのではないでしょうか。

 もちろん単に利用者として使う場合の代表的なイメージとしては間違いではありません。しかし、法人のサイトでのRSSの用途はそれにとどまるものではありません。

 RSSという規格は、その語源(いくつかあるようですが一例としては「Rich Site Summary」や「RDF Site Summary」などの呼称が挙げられます。どちらも「Site」の「Summary」、「サイト」の「要約」という点は共通ですね)が示すように、ウェブサイトのコンテンツを機械が扱いやすい形式に要約したものです。情報をこの形式で記述しておくことで、サイト内のコンテンツを様々な用途に簡単に利用することができるようになります。

 今回はそうした用途を整理する枠組みについてお話したいと思います。

RSSフィードの使い方を整理する

 RSSフィードの使い方については様々な整理の仕方があると思いますが、私は最近では下のような形で捉えています。

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 「サイト内で表示するか、サイト外で表示するか」という軸。それから「特定の登録した人のみが閲覧するのか、不特定多数の人が閲覧するのか」という軸。この2軸で整理して考えることで、RSSフィードの多様な用途を整理して考えることができるようになります。以下にそれぞれ簡単に例をご紹介していきましょう。

パターンA:コンテンツを、それを必要とするユーザのもとへ

 まずは表の左上、「サイト外で、特定の(登録/ダウンロードした)人だけが閲覧する」使い方です。この記事内でも取り上げている「RSSリーダーを使って、メールのように読む」使い方は、ここに該当します。

 自分が欲しい情報を、RSSが読み取れるソフトウェア(RSSリーダー)に登録しておくだけで、自動的かつ不要な情報なしでその新着をチェックできるため、大変便利な使い方です。

 最近では、Livedoor ReaderやFirefox、デスクトップウィジェット、iGoogleやMyYahoo!など様々な形のアプリケーションがこの形で使えるようになっており、着実に普及が進んでいます。

パターンB:コンテンツを、より多くのユーザのもとへ

 次に、表の右上の、「サイト外で、不特定多数の人が閲覧する」使い方です。

 これは、RSS化したコンテンツを、登録やダウンロードなどの手続きなしに閲覧できる箇所に掲載していくパターンで、最近ではもっとも用途の拡大が活発な使い方であるように思います。

 例えば、提携しているサイト上に自社の最新コンテンツを自動掲載したり、ブログパーツに最新情報を配信したり、というような用途があげられます。

 また、このパターンでは、広告的な形で情報を再掲載することも簡単です。例えば私たちがパートナーとしてお手伝いしているものとして、先日Pheedoが発表した「RSSを既存のバナー広告枠に配信する『Feed Powered』」というサービスがあります。

 CNETのサイト上にも、外部のRSSフィードを取り込んで表示している箇所があるようですね。

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 こうしてサイト外に情報を掲載して自動更新することも、情報をRSS化しておくことで、きわめて簡単にできるようになります。

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