3つめの使い方は、表の左下「サイト内で、特定の登録した人だけが閲覧する」という使い方です。
例えば「マイページ」などと呼ばれる「そのサイトに登録すると次に訪れたときに自分の関心あるコンテンツだけを表示する」というような機能は一部のサイトには以前より備わっていましたが、一般の企業サイトで導入するには費用面で敷居の高いものでした。
こうした機能もRSSを用いて実装することで、簡易かつ安価に実装することができます。
有名な例としては、米NYTimes.comのパーソナライズドページサービス「My Times」などがあげられます。
最後の使い方は、表の右下「サイト内で、不特定多数の人が閲覧する」使い方です。
法人サイトでは、キャンペーンサイトにコーポレートサイトの最新情報を表示したり、企業ブログ上に会社の最新情報を自動掲載したりというような、情報の同期(シンジケーション)に用いることが多くなっています。
また、閲覧しているページの関連情報を表示するという用途にも、RSS化されているデータは役立ちます。情報がRSS化されていれば、ページやサイトの要約部分だけを用いて関連付けを行えますので、ページ全体を対象とするような仕組みと比べてより精度の高い関連付けを行うことが出来るからです。
こうして整理してみると、情報をRSS化しておくことで、ウェブサイトの内外の多様なケースでそれを活用できることがおわかりいただけるかと思います。
私たちも、当初RSSの活用をお手伝いするサービスをご提供し始めた際は、単純に「RSSリーダーを使って、メールのように読む」という用途だけをイメージしていましたが、多くの法人様のサイトでの活用を支援させていただく中で、上記のような様々な用途にコンテンツを解放するという、RSSの本当の価値に徐々に気がついてきました。
普通、インターネット上に作成したコンテンツは、特定のサイトの特定のページにアクセスしなければ閲覧することができません。多様な閲覧環境が花開きつつある現在、こうしたRSS化されていないコンテンツは、「ページという檻」に閉じ込められているとも言えます。
コンテンツを檻から解放し、それを必要とするユーザーのもとへ届けるために、またより多くのユーザーのもとへ届けるために、そして、より多様な形で活用するために。そうした多用途にコンテンツを用いるためのインフラとしてこそ、RSSフィードの価値があるのではないか、私たちはそんなふうに考えています。
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