ソリッドステートドライブ(SSD)は、来たる2008年もあまり市場に出回ることはなく、価格も高い状態が続きそうだ。しかし、2009年ないし2010年には、大量生産が開始され、技術も進歩してより安価なフラッシュメモリが出回るようになり、そうした状況にも変化が訪れるかもしれない。
アイダホ州ボイシに本拠を置くDRAMおよびフラッシュメモリのメーカーMicron Technologyは米国時間11月28日、新製品「RealSSD」を発表し、SSD市場への参入計画を明らかにした。SSDの機能自体は、通常のハードディスクと変わらない。しかし、SSDは回転するディスク上にデータを格納するのではなく、NAND型フラッシュメモリ上に記録する。これは、従来デジタルカメラやMP3プレーヤーに使われてきたメモリだ。
Micronでは、2008年第1四半期よりSSDの大量生産を開始する計画を立てている。第1弾製品は、ストレージ容量が32Gバイトないしは64Gバイトになる予定だ。これは現在のノートPC向けハードディスクの平均的な容量の半分にも満たない。しかし、現実的に見れば、大半の企業ユーザーが必要とする容量は満たしていると、Micronのメモリシステム開発担当バイスプレジデントDean Klein氏は話す。さらに、SSD搭載のノートPCは、ディープスリープ状態からの復帰やアプリケーションへの起動も、HDDよりもはるかに高速にできるという。
「60Gバイトから80Gバイトといったところが、ノートPC市場ではちょうどよい容量だ」(Klein氏)
Micronは価格を明らかにしなかったが、おそらくは200〜300ドル程度になると思われ、普及にはこの価格が障壁になりそうだ。たとえば、DellのノートPC「XPS 1330」で、標準装備の160GバイトのHDDを64GバイトのSSD(サムスン電子製)に変更すると、価格は950ドルアップする。160GバイトのHDDを搭載したモデルが1599ドルで買えることを考えれば、SSDはおよそ経済的とは言えない。
それでもなお、魔法のようなムーアの法則と、困難をも力に変えていくメモリメーカーの努力で、今後はSSDも求めやすい価格になっていくことだろう。最初の変化は2008年の終わりごろに訪れそうだ。Klein氏によると、この時期にメーカーがSSDにマルチレベルセルのフラッシュチップを採用し始めるという。メーカーが現在使っているのは、シングルレベルセルのフラッシュチップだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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