若者が自動車を持たなくなったと言われる中、レンタカーのほかにもカーシェアリングというサービスが話題となっている。オリックスやマツダなどがこの分野では先行していたが、トヨタも参入を開始し、マーケットの活性化に注目が集まっている。そこで今回のテーマは「カーシェアリングに関する意識調査」。
今回の調査は11月15日〜11月19日で行い、普通自動車運転免許を保有している1,045人の男女(20歳代19.6%、30歳代20.0%、40歳代19.8%、50歳代20.0%、60歳代以上20.6%)から回答を得た。
まず、今回の調査では9割弱の人が自動車を持っていると答えた。年齢別にみると、20代の自動車所有率は他の年齢層に比べて10pointほど少ないことがわかった。
一方、レンタカーの利用はどのようになっているのか。レンタカーの利用状況を尋ねたところ旅行先での利用が33.6%で最も多い。年齢別にみると、20代から30代の人のうち、半数以上はレンタカーを利用していることから、若者の自動車「利用」のニーズはさほど落ちていないことがわかった。
一方、街中にある車両ステーションだけでなく、首都圏の大規模マンションのサービスとして導入されはじめ、最近メディアへの掲載も多くなったカーシェアリング。
カーシェアリングを知っているか尋ねたところ、半数以上の人が知っていると答えた。しかし、利用したことがある人はほとんどいない。
今後、カーシェアリングを利用したいかという質問には約3割の人が利用したいと答えており、20代では33.7%、30代では35.4%と平均を上回っていることがわかる。また、自動車をもっている人でも約3割の人が利用したいと答えていること明らかになった。ドライバーはどのようなことをカーシェアリングに期待しているのか。約7割の人が自動車所有時に発生する維持費の削減に期待を寄せている。次いで保険代、駐車場、燃料費と利便性よりも金銭面に寄せる期待が大きいことがわかった。それではどのような方法で利用したい人が多いのか。現在所有している自動車の代わりにカーシェアリングを利用したいと答えた人が最も多く、28.6%もいることから、駐車場賃料やガソリン価格の高騰に対して嫌悪感を示す人々からのスイッチングが期待できることがわかった。次に多いのがレンタカーの代わりとして考えている人が27.9%で、旅行先でのレンタカー利用の代替としてカーシェアリングを利用したいと考えている人が多いことがわかった。普段の生活で利用が考えられる買い物や近場のレジャーでの利用はあまり見込めないことが明らかになった。
最後にどのようなタイプの自動車をカーシェアリングで利用したいか尋ねたところ、ミニバン・1BOXが27.6%と最も多くなった。旅行先や遠出するときに利用したいというニーズを考えると多くの人や荷物を運ぶことができるミニバン・1BOXに人気が集まるのも納得である。
以上のことから、今後も価格が下がることを期待できそうもない燃料費、駐車場料金や環境負荷軽減のためにカーシェアリングが進むことが考えられ、そのブレークスルーのポイントは旅行先などの街中での利便性と若者のレジャーユース(レンタカーの代替)であることがわかった。IT業界の「SaaS」と同様、使いたいときに使いたいものを利用するという世の中の流れに自動車業界も変化するか、メーカーの動きに注目である。
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