今回のテーマは「老後に向けた資産運用に関するアンケート」。
景気は回復傾向にあると言われているが、まだまだ低金利が続いている。そんな中で、投資信託やFX(外国為替証拠金取引)などが順調に残高を伸ばしている。そこで、老後を見据えた50代の資産運用の実態について調査した。
今回の調査は11月9日〜11月12日で行い、全国の50代のビジネスパーソン1045人(男性 87.8%、女性 12.2%)から回答を得た。
まず、老後に必要だと思う資金(老後資金)はどのくらいか尋ねたところ、「3000万円〜5000万円未満」が23.8%で最も多く、次いで「2000万円〜3000万円未満」が22.7%と回答。約半数が老後には2000万円以上は必要と考えていることがわかった。
老後資金の使い道を尋ねてみると、「国内旅行」を選択した人が約6割、「自分や配偶者の自己啓発・趣味」を選択した人が5割強、「家族との団らん」を選択した人が4割強で、日常の生活をより楽しく充実させたいという意向が伺われる。
老後に向けて資産運用を行っているという人について、資産運用(投資)している金額は保有する金融資産の何%か尋ねてみたところ、半数以上の人が金融資産の「10%〜30%程度」を運用資金としていることがわかった。さらに具体的な運用金額はどのくらいかを尋ねると、「500万円〜1000万円未満」「1000万円〜2000万円未満」がともに2割弱で最も多く、一定規模の金額を運用に回していることが分かる。
購入している金融商品は預貯金等を除き「日本株」が7割、「投資信託」が5割、次いで「国債(個人向け国債含む)」が2割弱であり、外国株やFXなどはいずれも1割未満であった。老後に向けた資産運用ということを考えれば、安定的な資産運用となるのも当然だろう。
最近購入した金融商品の購入経路について尋ねると、「インターネット証券会社」が約5割であるのに対し、「証券会社の窓口、営業担当者」「銀行の窓口、営業担当者」が2割弱となっており、20〜30代に比べてインターネット利用度が低いと思われている50代においても、インターネットを使った資産運用が確実に浸透していることが明らかとなった。
この1年間の運用額の増減について尋ねると、「増やした」と回答した人が約5割、一方で「減らした」と回答した人は2割弱であった。運用額を増やした理由は「元本を大きくして利益を拡大したかった」が3割強、「利回りの高い金融商品に投資」が約3割で、運用効率を上げたいという意向が伺える。減らしたという人は「運用に失敗したので引きあげた」が約6割で最も多く、今年の7月からの株価下落の影響も考えられる。
資産運用を行っている、行う予定という人に金融商品に対するリスクの理解度を尋ねたところ、「誰かのサポートを必要とする」「実はほとんど理解していない」が合わせて3割弱となった。経験して分かることも多いかもしれないが、安心した老後を送るためにも自分が抱えているリスクは把握しておく必要があるだろう。
金融商品のよさや、抱えるリスクを分かりやすく知るためにどんな方法が有効と思うかについては、「要領を得たパンフレット」が6割強、次いで「コンパクトにまとまった資料、目論見書」が4割弱と続き、「対面での説明」は2割強あった。
今後シニア層に入っていく50代、ライフステージ上の収支曲線もプラスになっていく層である。インターネットによる投資環境の整備が進み、自力での投資意欲も高そうだ。一方で、分かりやすい商品やリスクを説明してくれるツールが求められている。資産の運用形態が多様化する中、適切な運用をアドバイスしてくれる「存在」が求められているのかもしれない。
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