UPDATE エキサイトとSkype Technologiesは11月15日、業務提携を発表した。Skypeのコブランドソフト「エキサイト Skype」を提供するほか、各種サービスでの連携を進める。
今回の業務提携により、エキサイトでは専用ウェブサイト「Excite & Skype」を開設。エキサイトSkypeの提供を開始した。
エキサイトSkypeは、通常のSkypeの機能に加えて、エキサイトの検索やニュース記事を閲覧できるブラウザ機能が搭載される。現在はWindows版クライアントのみの提供となるが、近日中にMac版のクライアントも提供する予定だ。サポートについては技術面でSkype Technologiesと連携をとりつつ、同社カスタマーセンターで対応する。
現在、国内のSkypeのユーザーは500万人以上。エキサイト代表取締役社長の山村幸広氏は今回の提携について「エキサイト会員2400IDの約20パーセントの500万人を足して、ユーザー数1000万の日本で一番のコミュニケーションツールとしてやっていきたい」と期待する。同社では今後、自社提供するブログサービス「エキサイトブログ」でエキサイトSkypeへのアクセスが可能なモジュールをブログに組み込む予定だ。
また、Skypeが2007年4月より提供しているSkypeクレジットとPayPalを利用した課金システム「Skype Prime」ベータ版を利用して、同社の既存サービスである電話での占いサービス「エキサイト電話占い」や英会話などSkype新サービスを提供し、課金ビジネスを拡大していく。Skype Primeは現在はPayPalでのみ課金による収益を受け取ることができるが、エキサイトで日本向けの課金方法も検討中だという。
そのほか、今までは公式なインスタントメッセンジャーを持たなかったエキサイトだが、今後はエキサイトSkypeを公式なメッセンジャーとして利用し、オープンチャットを検索するための検索カテゴリの追加などをおこなう。ヘッドセットやウェブカメラなど、Skype関連のハードウェアを販売するECサイトの開設も予定している。
エキサイトはポータルで2400万IDのユーザーを抱え、FTTHを中心としたISP事業も行うほか、オンラインゲームなど課金コンテンツも提供しており、これらのとSkypeとが結びつくことは「まったく競合する部分はない。すべてがシナジーを生む」(エキサイト常務取締役メディア本部長の坂本孝治氏)と期待を見せる。
また、Skype Technologies日本オフィスジェネラル・マネージャーの岩田真一氏によると、Skypeはビデオ機能の強化を進めている。すでにベータ版が提供されているSkypeのバージョン3.6では、VGA画像、秒間最大30フレームでのビデオチャットが可能になるため、「フルスクリーン表示でも美しいビデオが楽しめる」(岩田氏)。ただし、この画質での動画再生には、対応ハードウェアとデュアルコアプロセッサ搭載のPC、ブロードバンド回線が必要となる。
岩田氏はエキサイトとの提携について「高品質のビデオ通話だけでなく、課金システムや写真機能もあるので、エキサイトユーザーとの親和性は高い」と語った上で、「Skypeの人気は日本でも堅調だが少人数で運営していたので実現できなかったアイデアをエキサイトと一緒に実現していける。エキサイトの協力を感謝したい」とサービス立案に関してもコミットしていく姿勢を見せた。
Skype Technologiesは11月14日に独占提携を行っていたライブドアとの提携解消を発表したばかりだが、発表会の質疑応答はその内容に集中した。
Skype Technologiesグローバルマーケット戦略担当重役のスコット・マグビー氏はライブドアとの提携解消の理由について「2年契約だったため、自然解消した」と説明。ライブドアとエキサイトとの提携で異なる点としてはサービスに関しての連携まで含んだものであること、また、ユーザーサポートが国内で受けられるようになることを挙げたが、今回の提携の具体的な内容や期間については明らかにしなかった。
全世界でサービスを提供するSkype Technologiesは各国でパートナー企業と提携してユーザーを認知をはかっており、中国のTomOnlineや台湾のPC homeとの提携を例に挙げて「これらのパートナーがSkype」のエコシステムを大きくした」と語り、エキサイトとの提携については将来性やほかの日本企業と違う考え方ができる企業だとした上で、提携によって「ユーザーは日本には2つとない体験をすることができる」と語った。
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