富士通は11月8日、組込みソフトウェア「Inspirium(インスピリアム)」において、ウェブページの閲覧機能を大幅に向上させた携帯用ブラウザなどの新製品を、11月14日より販売すると発表した。
同社では、従来から「Inspirium」のブランド名で組込みソフトウェア製品を提供しているが、今回は新たに機能強化を行った「Inspirium HTMLブラウザ V3.7」と「Inspirium 音声合成ライブラリ V3.0」、「Inspirium HomeNetworkライブラリ V2.0」の3製品を開発。いずれもLinux、Windows、μITRONなどの環境下で動作確認済みだ。
Inspirium HTMLブラウザ V3.7では、PC向けに作成されたウェブページを携帯電話などで閲覧、操作する機能を強化したもの。従来製品「Inspirium HTMLブラウザ V3.5」使用時では60%程度だったウェブサイトの正確な表示割合を、約90%以上へと大幅に向上させている。
これによりV3.7の組込み機器ユーザーは、PC同様にさまざまなコンテンツへのアクセスが可能。またコンテンツ提供者にとっても、組込み機器向けに別コンテンツを作成する必要がなくなり、ウェブコンテンツ作成の工数を削減することができる。
Inspirium 音声合成ライブラリ V3.0は、富士通研究所が開発した最新の音声合成技術である「最適化素片複合方式」を活用し、電子機器における音声ガイダンスの品質向上を実現した。滑らかなに音をつなげるため、合成時に音の接続位置が不連続にならないように考慮した音声素片を使用。また、大量の音声データの中から合成時に劣化しにくい音声素片を集めた波形辞書を用いることで、人工的な印象をなくした柔らかな合成音声を実現する。
さらに、よく使われる言い回しやフレーズについて人間のしゃべり方を分析し、その声の高さやイントネーション、リズム、ポーズなどの特徴である韻律データを活用することで、人が語りかけるような自然な合成音声を可能にした。
Inspirium HomeNetworkライブラリ V2.0は、IPネットワーク内で著作権保護技術(DRM)により保護されたコンテンツを伝送するための技術規格であるDTCP-IPを新たにサポートし、著作権保護コンテンツの配信に対応した。これによりPCに録画したデジタル放送の番組を、家庭内ネットワークを介してテレビで再生できる。
また、DLNAが2006年10月に作成した「Link Protection Guideline」にも対応し、家庭内のデジタルコンテンツを簡単操作で楽しめる。
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