時間帯別の動画サイト接触状況を見ると、10時から接触率が上昇、21〜22時ごろにピークを迎える。こうした傾向については「地上波テレビとほぼ同様」(荻野氏)と分析。「利用できる時間に利用しているだけで、特にテレビだから、ネットだから何時に使う、という区別はない」とした。
一方、放送事業者である草場氏は「テレビとPC、モバイルを同時に利用するダブルスクリーン、トリプルスクリーンが増えているのでは」と分析する。その上で「通信に対抗するという意識ではなく、うまく利用して利益を得ていくのが理想。東京MXテレビとしても、ダブルスクリーン視聴は推進していく考え」との展望を明かした。
放送の立場から見た通信の活用法については、草場氏が「コンテンツ面においては、FAXのかわりにメールを利用する程度。むしろ、本編(放送)への誘導や物販など、下支え的な利用がメインでは」との考えを示すと、荻野氏も同調。「テレビ朝日の視聴者参加型クイズ番組などの例はあるが、BSデジタル放送の時代から通信を利用したインタラクティブ番組が成功しているとは言い難い」(荻野氏)と、活用法の難しさを指摘した。
将来的な放送・通信融合のビジネス展開について、荻野氏は「民放が実施しないのは、十分な収益を上げられるだけのモデルがないから」とし、著作権処理など課題が残る中でのビジネス展開は困難と説明した。
一方、日本テレビがドラマと連動して展開したスピンオフ企画(ドラマ「バンビーノ」の副主演・脇役クラス出演者を軸にショートドラマをネット配信)を例に挙げ、放送事業者が消極的な姿勢というわけではない状況を紹介した。
動画サイト側のビジネスモデルについても「広告中心で行うのであれば一定のコンテンツ保証責任が発生し、収益モデルも変わってくる」(荻野氏)とし、広告料金の基準となる効果測定方法についても基準化の必要性を指摘した。
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