UPDATE 米国市場向けのPCの出荷台数は、同市場が供給過多ということもあり、やや減少しているようだ。しかし、第3四半期には、欧州、中東、アフリカ(EMEA)地域が世界のPC市場の成長を大いに後押ししたことが、市場調査会社IDCが米国時間10月17日に発表した調査結果で明らかになった。
第3四半期に、世界のPC出荷台数は15.5%増加した。Hewlett-Packard(HP)やAcerを中心に、EMEA地域におけるPCの販売増は、ノートPCの需要増加や新学期セールにより加速した。その結果、同地域では過去2年間で最大の増加率を記録した。
IDCのクライアントアンドディスプレイ部門担当バイスプレジデントであるBob O'Donnell氏は、「問題は、市場全体の高成長を牽引しているのが依然としてノートPCであるという点だ。この傾向は、消費者と企業の両面で見られる」と語る。「ノートPCを選択する消費者が増えている」(O'Donnell氏)
PCメーカー世界最大手のHPは、ライバルのDellとの差をさらに広げた。世界のPC市場におけるHPのシェアは19.6%で、Dellは15.2%で2位のままだ。HPがDellを抜いてPC業界の首位に上り詰めたのはちょうど1年前だ。それ以来、HPが成長を続ける一方、Dellは苦戦してきた。しかし、Dellはその状況を一変させそうだ。
Dellは、販売を米国の顧客向けに偏りすぎているが、最近、世界のさまざまな地域に事業を拡大し始めている。同社の最高経営責任者(CEO)であるMichael Dell氏も2007年はじめに行われた投資家向けのカンファレンスでこの点を認めている。
O'Donnell氏は、「Dellもここに来て、多少の利益を上げ始めている」とし、さらに次のように続けた。「これを好転と見るか、再調整と見るかは人それぞれだが、Dellの出荷台数は徐々に伸び始めており、(同社の事業は)再び軌道に乗りつつある。しかし、復活への道のりはまだ長い」
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