ウェブ解析のデジタルデバイトを克服する4つのステップ - (page 2)

大山忍(オムニチュア)2007年10月15日 14時00分

3.Automation(自動化)

 第3のステップは、「自動化」だ。自動化というのは、インターネット周りの技術を、ウェブ解析のデータに基づいて、自動的に稼動させるという意味だ。今まで単独で稼動させていた、CMS(コンテンツマネジメントシステム)や、顧客管理システム、検索連動型広告の自動入札ツール、行動ターゲティングツール(ユーザーの行動履歴によって効果的なコンテンツを配信するツール)といった技術と、ウェブ解析で取得できたデータを“自動的”に融合させることにより、ビジネスを効果的に最適化するのである。

 例えば、検索連動型広告の自動入札ツールは、今までの“入札単価、クリック数、掲載順位”というデータに、キーワード毎の売上といったデータをリアルタイムにウェブ解析ツールから取得することにより、広告費用対効果(ROAS)の高い入札管理を行えることができる。

071010_omniture1.jpg図:SEM自動最適化

 また、ウェブ解析と行動ターゲティング、CMSを融合させると、ウェブ解析で蓄積されたユーザーの行動データを基に、行動ターゲティングのAI(人口知能)がユーザーの行動別に最適なコンテンツを判断し、ユーザー属性に基づく最適なコンテンツをCMSが自動的に配信するという一連の作業を行うこともできる。

071010_omniture2.jpg図:行動ターゲティング

4.Multi-Channel(マルチ・チャネル)

 第4のステップは、まだまだテスト段階ではあるが、ウェブ解析の先駆的企業が大注目している、ウェブ解析データとウェブサイト以外(オフライン)のデータの融合、すなわち「マルチ・チャネル」だ。オフラインのデータには、ゲームや音楽再生に使われるデスクトップアプリケーションや、コールセンターで使われるIVR(自動音声応答装置)、ケーブルテレビのセットボックスなどがあげられている。

 このステップのポイントは、ウェブサイトの訪問者だけではなく、その他のコンタクトポイントで得られるデータを融合して、包括的な顧客の分析を行うということにある。また、これらの試みの背景には、最先端のウェブ解析ツールは、容易に外部データを取り込むこができる上に簡単にレポート化ができるので、一種のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールとしての活用に注目されているということがある。

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 Step 3と4に関しては、かなりの先端企業での導入ケースだが、これらの包括的なビジョンを通してウェブに関わるビジネスパーソンの皆さんにウェブ解析の可能性というものを感じていただければ、幸いに思う。

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