しかし、その後に映し出された写真の変化は、より珍しいものだった。それは、元の写真の焦点を人為的に変化させるというものだ。元の写真は中間の像に焦点が当てられていたが、その焦点を前方の像と背景の壁の両方に変化させた。Story氏によると、この技術を開発したエンジニアは、ソフトウェアの開発に1週間かかり、このシミュレーションを行うのにさらに1週間かかったという。
Story氏によると、この奥行きを変化させるアイデアは、ニュース用写真の被写体が柱のすぐ前に立っている(と写真撮影後に気付いた)場合に役立つという。しかし、この3D認識技術を使った写真の変化は、さらに有効な使い方が可能だ。「3D修正ブラシを使えば、例えば、被写体の頭の後ろにあるものを全て消すことも可能だ」(Story氏)
Story氏は、このアイデアのデモは行わなかったが、この3D技術の別の応用法を披露した。「仮にすべての画素の三次元を認識できるとして、焦点(調節用)ブラシを作れたらどうなるだろうか。仮にその3Dブラシを使って、写真に写っている光景の焦点を調節できたらどうなるだろうか」
Story氏はそう述べた後、同氏の言うその焦点調節ブラシ(と焦点をぼやかすブラシ)がどのようなものかを実演して見せた(うがった見方をすると、Story氏は単に1つの焦点層に別の焦点層をコピーしただけなのでは、とも考えられるが、1つの画像から複数の焦点面を作り出す点は見事だ)。
Story氏は、「これを物理カメラで行うのは不可能だ。この複眼レンズとデジタル暗室の併用により、いわゆるコンピュータ写真撮影が可能になる。コンピュータ写真撮影はまさに未来の写真撮影だ」と述べ、さらに「従来の物理カメラでは不可能だったことが可能になればなるほど、人々はより印象的かつ説得力のある自己表現が可能になる」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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