IBMとGoogleは米国時間10月8日、リモートコンピュータプログラミング向けにデータセンターを提供することを目的とした「Academic Cluster Computing Initiative」の詳細を発表した。
データセンターは、多数の学生やプログラマを対象に、インターネット上の膨大な量のデータを扱うソフトウェアコードを記述する作業のために情報や処理能力を提供するものとなる予定である。
ワシントン大学(Washington University)で既に進行中の同プロジェクトは、カーネギーメロン大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、およびメリーランド大学でも開始される予定である。IBMとGoogleは、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを提供する予定である。
IBMは声明で、「このプロジェクトの目標は、高度並列コンピューティングの実情に関するコンピュータ科学専攻の学生らの知識を向上させ、この新しい大規模分散コンピューティングのパラダイムにより適切に対応できるようになってもらうことである」と述べた。
並列演算コンピューティングとは、1つの汎用タスクを複数のデータパケットに分割し、それらを複数のサーバで同時に処理させる手法である。インターネットを介してリモートのサーバを利用する場合、この処理をクラスタコンピューティング、または「クラウド」コンピューティングと呼ぶ。
この手法を用いることにより、汎用タスクの効率を改善すること、また、遺伝子シーケンシングなど莫大な処理能力を必要とする複雑なタスクをより容易に処理することが可能となる。
GoogleとIBMの両社は、大学におけるプロジェクトに加えて、 一般向けにも無償のリソースを提供する予定である。
クラスタコンピューティング関連の分野に対する3大学のカリキュラムは、Creative Commonsのライセンスを介して提供される。3大学のカリキュラムはすべて、ワシントン大学とGoogleが共同で提供する。またGoogleは、同社が2007年夏のインターン向けに使用したクラスタコンピューティングに関する一連のビデオ講義も無償で提供する。
IBMは、クラスタ開発のためのオープンソースソフトウェアプラットフォームである「Hadoop」と、大学や学生向けに「IBM Innovation Factory」を介した協調ウェブサイトを提供する予定である。
Microsoftは2007年7月、独自のクラウドコンピューティングプログラムを発表し、同プログラムにおいて「Windows Live」を開発者向けに公開する予定であると述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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