ブートストラップの手法は安いと言われることが多い。しかし、プロフェッショナルで素晴らしい製品にはお金がかかる。われわれの開発は、5人の開発者、1人のシステム設計者、1人のHTMLコーダー、1人のSQL専門家、4人のテスター、2人のデザイナー、1人のグラフィックデザイナー、1人のプロジェクト管理者と1人のセキュリティ専門家を必要とする複雑なものだった。われわれの目標がこれらの人材を直接雇えるだけの資金を調達するものであったとすれば、サービス開始までに500万ドルから700万ドルを必要としただろう。
これを念頭に、ある程度の複雑さを持ったシステムを市場に出すのに必要な予算を概算すると、次のようになる(そして、これにはマーケティングや広告のための費用は含まれていないことに注意してほしい)。
分野 | 下限 | 上限 |
旅費 | 4000ドル | 1万ドル |
開発 | 3万ドル | 15万ドル |
専門家費用 | 3000ドル | 1万5000ドル |
特許料 | 2500ドル | 2万5000ドル |
デザイン | 2000ドル | 8000ドル |
ドメイン・ホスティング | 1000ドル | 1000ドル |
雑費 | 5000ドル | 5000ドル |
計 | 4万7500ドル | 21万4000ドル |
費用を決める最大の要素は、受け渡しリスクや期間などのプロジェクトの複雑さだ。このため、費用を前もって正確に見積もるのは非常に難しいが、少なくとも5万ドルの費用はかかる。商品取引のような複雑なシステムでは、この数字はもっと大きなものなる。もし手持ち資金がこれよりも小さければ、開発を自分でやるほかない。開発を自分でやるということは、国外の企業や上記の分野の専門家たちと競争をするということだ。それに加え、現実には自分で達成できるプロジェクトの大きさには限界がある。
国外での開発を行うべきかという問題を考慮する場合、もし旅費を節約したいのであれば国内にとどめておくべきだろう。だが、例えば米国で開発を行う場合には、開発コストはインドや旧東欧地域に比べて約5倍から10倍になる。
同様に、少なくとも開発段階の間は、開発者に対応したり、準備期間に起こるその他の開発に関係する問題のために、少なくとも1人のフルタイムの創立者を必要とする。この人物に対する給与は、上記の予算には上げられていない。つまり、開発期間に必要な費用は、実際にはもっと高くなる。
この記事では、ブートストラップのプロセスについて概説してきた。次の記事では、どのように「機能仕様」で要件を文書化していくかについて説明し、どのように無料の開発ツールを使ってサービスのモックアップを作り、どのように戦略を構築していくかについて説明していく。例も多く引く予定だ。
この記事で書かなかったのは次のようなことだ。
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