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コーエーが掲げる、複数の新世代ゲーム機に対応するための3つの戦略

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 9月26日から28日の3日間にわたって、東京大学安田講堂でゲーム開発者向けのカンファレンス「CESAデベロッパーズカンファレンス 2007」(CEDEC)が開催されている。2日目の27日、コーエーの代表取締役執行役員社長COOである松原健二氏が登壇し、「コーエーの目指すエンターテインメント戦略」と題して講演した。

コーエーの代表取締役執行役員社長COOである松原健二氏 コーエーの代表取締役執行役員社長COOである松原健二氏

 2007年6月に現職に就任したばかりの松原氏は、まず現在のゲーム業界を取り巻く現状を解説した。現在のゲーム業界では、PLAYSTATION 3(PS3)、Xbox 360、Wiiといった新世代機と呼ばれるゲーム機が次々と発売されているものの、それぞれの世界全体での出荷台数は多くても1000万台程度の市場規模だという。

 また、ゲームタイトルをゲーム機ごとに見た場合、まだまだゲームプラットフォームの販売元のタイトルが多くを占め、サードバーティのタイトルは厳しい状況にある。松原氏は「新世代機への移行はまだまだ過渡期。プラットフォームの多様化が進むなか、シェアがどうなっていくかはユーザーの判断にあり、もう少し時間がかかるだろう」と語った。

ニンテンドーDS対応タイトルの累計出荷本数ランキング こちらはニンテンドーDS対応タイトルの累計出荷本数ランキング。DSの開発である任天堂と、その関連会社であるポケモンが上位を独占している

 ゲーム業界のこうした状況のなか、2006年のコーエーは減収減益の厳しい企業業績となり、苦戦を強いられた。松原氏は「ゲームのプラットフォームが変化しているなかで、やはりある程度タイトル数をそろえておかなければ生き残れない」と述べ、同社の3点に集約した事業戦略を明かした。

高まる開発コストにどう対応するか

 同社が掲げる戦略の1点目は、事業ポートフォリオに基づく開発。新世代機向けソフト、収益性の高いソフトなど、それぞれの事業分野に対するリソースの配分を考慮して、開発を続けていく。また、アーキテクチャの異なる3つの新世代機に対して「同時に同じゲームを開発するというのはどの会社もおそらく取り組んでいることだが、すべてのプラットフォームに対応する開発環境の整備が課題だ。これを達成したところがアドバンテージをとるだろう」と語った。

 さらに、新世代機では開発コストの削減も大きな課題となる。9月24日付けの日本経済新聞に掲載された、PlayStation 2とPS3におけるゲームソフトの開発コストの比較表によると、開発費はそれぞれ1億円から20億円、採算が取れる販売本数は5万本から50万本に跳ね上がっている。

 これに対して、松原氏は「コーエーの場合は2倍弱。工数が上がらないようにつくったと考えてほしい。開発工数を減らす施策は、現場レベルではもはや当たり前。新世代機では従来のプロセスのなかでチューンアップすることも重要だが、開発のプロセスの中でどこを効率化しようかと考えることが重要なのではないか」という、自身の考えを述べた。

PS2とPS3の開発費比較 PS2とPS3の開発費比較。いかに開発費を抑えるかが各社の課題になっている

 次に2番目の戦略として掲げられたのはコンテンツのさらなる活用を意味するコンテンツ・エクスパンション。「三国志」などのブランドで、ゲームコンテンツから他のメディアへの展開に成功してきたコーエー。松原氏は「(メディアミックスによる)相乗効果をさらに高めたい。これからは、他メディアからゲームへという流れをつくっていくことにも取り組みたい」と、積極的に他社と協業していく方針を示した。

 そして、3つ目に挙げられたのはグローバル展開。歴史に根ざしたタイトルが多いコーエーの北米や欧州における知名度はまだまだ低い。また、それらの地域の大手ゲームソフトメーカーに比べ、タイトル数でも引けを取るという。さらに「北米や欧州はゲームソフトの返品は当たり前。売れなければメーカーは値下げをする。そもそも日本とは売り方が違う」とし、カナダやシンガポールにある開発拠点に加え、営業拠点の確立など、海外市場に向けた体制づくりを強化していく意向を明かした。

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