ロンドン発--仮想化技術は業務用モバイル機器のセキュリティを強化する鍵になるだろう。Gartnerはこのように分析している。
同社によると、携帯端末機器やノートパソコンで標準化されたソフトウェアのダウンロードを可能にするために、ハードウェアとソフトウェアを分離する仮想化技術が使われるようになるという。
ソフトウェアが標準化されれば、すべての業務用機器に一貫したセキュリティルールを適用でき、多様化するモバイル機器のセキュリティを統制できるようになるからだ。
しかし、そうしたモバイル機器向け仮想化ツールが登場するのは2012年頃になると予想されるため、それまでのつなぎとしてモバイル機器の利用に関する方策を定める必要があるという。
GartnerのリサーチディレクターであるMonica Basso氏は、このほどロンドンで開催されたGartner IT Security Summitの講演で、業務で使われる機会の増えている個人用機器は多様でセキュリティが脆弱なためビジネスリスクにつながると述べた。
「モバイル機器やツールを集約する技術が今後5年の間に開発されるだろう。そのための技術はいろいろあるが、仮想化はその一つだ」
しかし、それまでの間、モバイル機器の普及は「IT部門にとって状況を大きく複雑化させる。誰にとっても最適な機器などないからだ」
したがって、当面、企業は方策を定めて業務用モバイル機器に関する指針を統一し責任を明確化する必要がある。そして、次善の策として、業務に使用するモバイル機器等の種類を限定しそのいずれかを選ぶようにすべきだという。
モバイル機器を管理するソフトウェアを提供するMformationが最近英国を含む欧米各国の最高情報責任者(CIO)200名を調査したところ、モバイル機器に保存されている情報をすべては把握していないと回答したCIOは10人中9人に上り、モバイル機器の紛失や誤使用による内部情報の漏洩を危惧していることが明らかになった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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