アイピーフレックスは9月19日、NTTドコモよりSuper 3G移動体通信方式に応用可能なMIMO信号分離LSIの設計を受託したことを発表した。
NTTドコモ独自のMIMO信号分離技術とアイピーフレックスの設計技術によって、65nm CMOSプロセス技術を用いてLSIを試作し、4×4-MIMO伝送において、約200Mbpsのデータ伝送が100mW以下の低消費電力で実現できることを、世界で初めてLSIで実証したという。
アイピーフレックスは、NTTドコモから提供された処理量の少ない独自アルゴリズムのC言語ソースコードをもとに、同社の「Software to Silicon」コンセプトによって、さらなる低消費電力化を目標とし、さまざまな形で最適化をしてきた。
具体的には回路化のためにプログラムレベルで最適化したほか、固定小数点化におけるビット精度の最適化、論理設計レベルでの最適化を行った。また、低消費電力レイアウト設計サービスを提供するエイ・アイ・エルの協力により、物理設計レベルでの最適化も行ってきた。さらに、業界最小レベルのリーク電流で低消費電力を実現する、富士通の65nm CMOSスタンダードセルを用いることにより、100mW以下@Vcc=1.1V(コア回路のみ、I/Oバッファセルは除く)を達成した。
MIMO信号分離LSI開発として同社は、「NTTドコモが開発を進めているSuper 3Gは、仕様がほぼ固まりつつあり、机上検討やハードウェアによる検討が行われているが、LSI化した例はなかった。アイピーフレックスは、Super 3Gの携帯端末を商用化する際、消費電力の面でもっとも実現化が困難であると予想される受信部MIMO信号分離LSIの試作設計をNTTドコモより受託した」としている。
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