「The Canadian Press」が報じたところでは、Google Mapsの「Street View」機能の高解像度画像は、撮影された市民がそれを認識していない可能性があるため、カナダのプライバシー保護法に抵触する恐れがあると同国のプライバシーコミッショナーが語っているという。
Street Viewはカナダではまだ利用できないが、2007年5月から米国の主要9都市で提供されているサービスだ。サンディエゴとサンフランシスコのベイエリアのみが、拡大した高解像度画像の表示に対応している。当初、プライバシー擁護者から批判を受けたGoogleはひそかに方針を変更し、判別可能な車のナンバープレートや顔が撮影された場合、撮影された当人でなくとも、申し入れをすれば削除させることができるようになった。
カナダのプライバシーコミッショナーJennifer Stoddart氏は、Googleと、その画像技術提携企業でカナダのカルガリーに拠点を置くImmersive Mediaに対して書簡を送り、この懸念に対する返答を両社に求めた。Stoddart氏はImmersive Mediaに対して、すでに同社がカナダでの一般人画像のデータベースを所有しているのは認識していると伝えている。
高解像度写真は、2004年1月1日に発効されたカナダの「個人情報保護および電子文書法(Personal Information Protection and Electronic Documents Act:PIPEDA)」に抵触する恐れがあると、Stoddart氏は述べた。
Street Viewは「認識、同意、限定的な収集という基本的要件にかなった形で、法律の定める範囲で利用されているようには思えない。十分にその人が識別できるほどはっきりと写った個人の画像は、PIPEDAが定義するところの個人情報と認められると当事務局ではとらえている」とStoddart氏は言う。
画像の削除依頼ができるとしても、すでにプライバシーの侵害は起きてしまったあとであるため、部分的な解決にすぎないと同氏は論ずる。
太平洋標準時午前11時30分更新:Googleから次のような声明がメールで送られてきた。「Googleでは、プライバシーが非常に重要であることを認識しており、サービスを運営する国ごとの法律を順守している。Street Viewは公的な場所で撮影された画像のみを表示するものである。画像は数カ月前に撮影されたものであり、誰もがいつでも街を歩く姿を写真に撮られたり見られたりするのと何ら変わりのないもので、この種の画像は世界中のどこの都市でも、いろいろな形で手に入る。Street Viewは、ユーザーがある場所を簡単に探したり、発見したり、行動計画をたてたりするのに役立つ機能だが、このサービスを不快な機能だと感じて画像を歓迎しない人々がいる可能性をわれわれは重く受けとめている。人目に触れるのが不適切だったり、微妙だったりする画像を特定し削除するために、簡単にアクセスできるツールも提供している」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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