米国時間9月12日、Sun MicrosystemsのSolaris 10に長い間待たれていた機能がようやく登場した。この日リリースされたアップデートSolaris 10 8/07により、x86マシン上でLinuxソフトウェアを動かせるようになった。
この技術はSolaris 10に当初から予定されていた機能で、呼び物の1つとされていた。しかし、Solaris 10は2005年にリリースされたものの、この機能はこれに搭載されず、計画レベルに差し戻されてしまった。Solaris 10の最初のバージョンには、OSをほぼ独立した「コンテナ」に分割する技術が搭載されていた。そして、Linux-on-Solaris技術「BrandZ」が出され、Linuxアプリケーションを独立したコンテナで動かすことができるようになった。BrandZは正式には「Solaris Containers for Linux Applications」と呼ばれる。
Sunの当初の思惑はこの機能によりSolarisからLinuxに切り替えた利用者を呼び戻すことにあった。しかし、多くの人は、Linuxアプリケーションを一部に必要とする生粋のSolaris利用者が主な利用者になるだろうと見ていた。
新版は、Solaris 10のもう1つの機能であるDTraceを使いたい技術者にとっても有用だろう。DTraceはプログラマーにとっては高度なデバッグ作業を可能にする道具となり、システム管理者にとってはパフォーマンス上のボトルネックを見いだすための道具となる。また、新機能をオンにするのに再起動することなく、生産環境で使用することができる。Linuxそれ自体ではないものの、開発者たちはSolarisのLinuxコンテナ上でLinuxソフトウェアの動きを試すことができるようになる。
現在、2003年にリリースされたRed Hat Enterprise Linux 3のアプリケーションが、このSolarisコンテナで動作可能となっている。しかし、すぐにアプリケーションを移行しようとしてはならない。使用しているアプリケーションがこの環境で使えることをアプリケーションのメーカーが保証するまで待つべきだ。
Solarisの新版には、オープンデータベースのPostgreSQL 8.2が同梱されている。同データベースは旧版よりも約20%高速化され、DTraceにも対応した。またSunによれば、ネットワークパフォーマンスも改善されているという。
Sunは同日、VMwareとの提携も発表した。その成果であるSun Virtual Desktop Infrastructure Software 1.0を利用すれば、デスクトップPCのソフトウェアをリモートから中央のサーバで実行できるようになる。価格は1ユーザー149ドル。提供開始は10月。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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