サンフランシスコ発--PayPalの共同創設者で、現在はベンチャーグループClarium Capital Managementの社長を務め、「Facebook」の支援者でもあるPeter Thiel氏は米国時間9月9日、人工知能(AI)のカンファレンスSingularity Summitで講演し、投資に関するシンプルなアドバイスを示した。人間より賢いAIが登場する時代、いわゆるシンギュラリティ(特異点)の際には、大災害保険に投資せよ、というのだ。
これはまさに投資の権威Warren Buffet氏が何気なしにとってきた戦略で、Buffet氏のポートフォリオはこの10〜15年の間に、保険および大災害保険会社へとシフトしてきた、とThiel氏は語る。「Buffet氏はかつて、Dairy Queenのようなバリュー株(割安株)に重点的に投資していた」
2日間にわたってサンフランシスコで開催されたSingularity Summitのホスト役を務めたThiel氏は、Singularity Instituteに50万ドルを投資してきた。Singularity Instituteは創設5年目を迎える非営利の研究団体で、このイベントを主催している。
「AI、あるいはAIに近いものは、もはや新しい話題ではない。取り上げる価値がある唯一のテーマはおそらく、AI分野への投資だろう」(Thiel氏)
「物事が極端にうまく運んだり、極端に悪く進んだりする可能性のある世界では、正規分布の鐘形曲線のすそ野はより広くなり、さまざまな種類の行動につながる。シンギュラリティが大成功して史上最大のブームを引き起こすか、あるいは、世界を吹き飛ばして投資の対象が一切なくなる、とも考えられる」と、Thiel氏はジョークを交えて語った。
「後者の悪い方向の予測は、投資の観点からは好ましくない。シンギュラリティを信じるなら、良い方向の予測に賭けるしかないのだ」と、Thiel氏は付け加えた。
何が起こるにせよ刺激的な時代になるだろう、とThiel氏は述べた。「世界の終わりを予測する人々を片付けるのは簡単だ。こうした人々は、ずっと昔から間違ってきた。この先はとてもエキサイティングな時代になるだろう。Buffet氏は最善を尽くしているのかもしれない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果