Appleが、5日の新製品発表でこの状況を変えたいと考えている可能性はある。この数カ月間絶えることのなかった噂は、ビデオ体験の質を向上させるために、現行のビデオプレーヤー機能付きiPodとそれより小型のiPod nanoの両方のデザインが見直されるというものだ。
現時点でビデオを再生できるのは第5世代のiPodだけだが、採用されているディスプレイは2.5インチで、「iPhone」が出た今となってはなんとも小さく見える。Appleの話題を扱うサイトや金融アナリストの一部からは、電話機能はつかないものの、iPhoneと同じ3.5インチのディスプレイを搭載したiPodを、Appleが発売するという予測も出ている。
また、ビデオ再生可能な新バージョンのiPod nanoを発売するという見方も多くある。ただし、iPod nanoの小ささを保ちながらどうやってこの目標を達成できるのかははっきりしない。
現行のiPod nanoには、1.5インチのディスプレイが搭載されている。AppleがiPod nanoのディスプレイをこれより大きくするのであれば、デザイン上の代償をいくらか伴うことになる。Apple関連情報で有名なサイト、9 to 5 Macでは一時期ビデオプレーヤー機能付きのiPod nanoの写真を公開していたが、このiPod nanoは、大きなディスプレイに合わせて現行のモデルより短く幅の広い形をしていた。9 to 5 Macによれば、Appleの法務部門がこの画像の掲載をやめるよう要求してきたという。だからといって、この写真のデザインが本物だとは言えないが、もちろん否定することもできない。
薄型であることがiPod nanoの持つ最大の特徴の1つになっていることを考えれば、Appleが現行のデザインを壊してしまうことはやや奇妙に思われる。しかし、Appleは2005年、当時最も人気のあったiPodである「iPod mini」をためらいもなく廃止し、iPod nanoが普及する道筋を作っている。したがって、同じような移行を決行するにあたって、同社が自信を持って悪い理由は何もない。
ディスプレイ用のスペースを拡大すること以外で、新iPodの鍵となるのは、iPhoneと同じく機能を絞った「Mac OS X」を採用することだと、投資銀行Piper JaffrayのGene Munster氏は言う。
「現在、Mac、iPhone、それにApple TVが(Mac OSで)動いており、(iPodが)このOSをベースにすれば、Appleは(Mac OSをベースにした)消費者向け家電製品のラインアップを完成させることになる」とMunster氏は記している。
新しいiPodにMac OSを採用すれば、iPhoneが持つタッチスクリーン型のインターフェースを新しいiPodにも採用できると、Apple関連の情報サイトAppleInsiderは指摘している。つまり、iPodやiPod nanoで現在採用されている物理的なクリックアンドホイールをやめ、この操作をiPhoneをまねた仮想インターフェースに変更することによって、ディスプレイに利用できる面積を最大限確保するという考え方だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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