Skypeは、同社インターネット電話サービスが先週2日間にわたってほとんど利用できなくなっていたことについて、その原因となっていたソフトウェアのバグを修正した。
Skypeが米国時間8月20日にリリースした声明によると、16日ごろ「世界中で、Skypeユーザーのコンピュータの多くが、ごく短時間のうちに再起動された」ことにより、サービス停止が発生した。かなりのユーザーが影響を受けたという。
この再起動は、定期的なWindowsのアップデートをきっかけに発生したという。Skypeの声明には「これにより接続要求が殺到した。PtoPネットワークのリソース不足とあいまって連鎖反応が起こり、深刻な影響をおよぼした」とある。
Skypeは、ユーザーの大部分が16日から18日にかけてサービスに接続できなかったことを認めた。同社はeBayの子会社で、VoIPを専門としている。
CNET News.comの姉妹サイトZDNet UKの取材に対し、同社の関係者は20日朝、Skypeのリソース割り当てアルゴリズムのバグ修正は完了していると述べた。このバグは16日になって初めて明らかになったもので、Skypeにビルトインされた「自己修復機能」が適切に機能しなくなる。これにより、人気VoIPクライアントSkypeの提供開始以来で最大規模のサービス停止が発生していた。
Skypeは、サービス停止がハッカーの侵入や悪意ある活動によるものではなかったことを強調しており、ユーザーのセキュリティは「まったく危険にさらされていない」と主張している。
声明は「今回の混乱は、影響の深刻さと影響範囲の広さの面で、かつてないものだった」と述べるとともに、「中断のない運用が保証された通信技術やネットワークは、今日ほとんどないことを指摘しておきたい。われわれは、過去4年以上にわたるSkype運営を通して、技術的に耐障害性のある通信ツールを世界中で多くのユーザーに提供してきたことを誇りに思う」と付け加えた。
OvumのブロードバンドアナリストMark Main氏は17日のブログエントリで、Skypeがこれまで今回のような大規模なサービス停止を起こさずに運営を続けてきたのは「かなりの偉業」であると述べた。ただし同氏は、このところSkypeサービスの品質が低下してきていたことも指摘している。耐障害性は、各種商用VoIPに共通の問題として今後も残るという。
Main氏は「一部のVoIPについて、遠回りだが往来が容易でしっかりと踏み固められた道を避け、岩場を越えて近道をするようなものだ、と現在のところ考えておくべきなのだろう」と書いている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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