ニフティは8月8日、同社の運営するインターネットサービス@niftyにて、技術者向けサイト「@niftyウェブサービス」を公開した。
@niftyウェブサービスでは@niftyで提供するサービスのAPIを一般公開するほか、外部技術者とニフティ技術者のコミュニケーションの場を提供していくという。
サービス開始時点では、(1)オリジナリティが高く、(2)アジャイル型の開発スタイルをとりユーザーのフィードバックが早い、(3)ユーザー参加型のコミュニティーサービス--という3つの観点から、「@nifty TimeLine」ベータ版、「アバウトミー」ベータ版、「トピックイット」の3サービスのAPIを公開する。これにより、技術者は公開されたAPIを使い自由にサービスやソフトウェアを開発できるようになる。開発したサービスの著作権は技術者に帰属するが、商用利用の際にはニフティへの事前連絡が必要としている。
同社では今後もコミュニケーションサービスを中心に公開するAPIを追加する予定で、認証系のサービスについても公開を検討している。
また、開発したマッシュアップサービスは@niftyウェブサービスに登録することが可能だ。サイトの公開前にはニフティのエンジニアと外部技術者が開発合宿を行っており、そこで生まれたマッシュアップサービスもすでに登録されている。開発合宿については、今後も定期的に行うことを検討している。
ニフティ イノベーション・ラボ担当技術理事の鈴木隆一氏は、@niftyウェブサービスの公開について、「Googleなどがでてきている中で、ニフティでも技術者とマッシュアップしてサービスを作るという流れがもう一度できればと思っている」と説明する。
かつて同社が提供していたパソコン通信サービス「ニフティサーブ」では、ユーザーが独自に巡回ソフトなどを開発、技術者とサービスプロバイダが一緒になって利便性を向上させてきたという。同社ではインターネットの世界でも同様の関係を築けるようになることを期待する。
ニフティ イノベーション・ラボゼネラルマネージャーの中泉隆氏も「新しい発想はユーザー主導で作っていく時代が来ている」と説明する。外部のエンジニアをひきつけ、魅了的なデータベースとAPIを公開することで「マッシュアップされたい」(中泉氏)と語った。
APIを公開することでのビジネス面でのメリットについては、「Amazonのようにアフィリエイトでフィーを受け取れる方法はあるが、物販を行わないので難しい。ニフティとしてはPRの色が強い。ビジネスモデルのないまま続けていくのは難しいが、技術者と一緒に考えていければ」(中泉氏)と説明した。
またAPIを使って技術者が作るサービスに「引力を持たせたい」(中泉氏)という。さまざまなマッシュアップサービスができることで@niftyが提供するサービスのユーザーを増やし、広告をはじめとしたビジネスにつなげることを検討していく。
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