これはちょっと皮肉なニュースだ。紙メディアの発行部数減少を受け、従来の報道機関が読者数と広告売上高の拡大を目指してウェブ進出を進めているとのニュースは何度も伝わってきている(Wired誌の7月に特集は、新聞グループGannettが近代化を進めている問題だ)。しかし、今回はその逆のケースだ。米国時間7月27日夜の報道によると、The Associated Press(AP)が若者向けに発信するブログやビデオを中心としたASAPニュースポータルの閉鎖を発表した。試験運用の失敗が理由だという。
2年前にスタートし、10月31日をもって閉鎖されるASAPは、ヤングプロフェッショナル向けの代替ニュースハブだ。一般に、彼らはJon StewartやStephen Colbertでも出演しないかぎりテレビのニュース番組は見ない。ディレクターのKathleen Carroll氏は、単に十分な採算が取れなかったため、とメモで述べている。
本当に残念だ、というのが筆者の見解だ。APにとっては、実績があり評判の良い報道機関がYouTubeユーザーなどに対応した別メディアを設立できることを証明する絶好のチャンスだった。残念ながら、それにはいくつかの点が不十分だった。ASAPは、従来のAP配信ニュースにポッドキャスト、ビデオ、地図データマッシュアップ、そしてブログのコメントを組み合わせて配信している。だが、集中管理されたビデオプレーヤーがないなど、その大半は、統合が本来のようにシームレスではなかった。
また、やりたいことにたどり着くまでに必要なクリックの回数も多すぎる。本稿執筆時のトップ扱いは、「ザ・シンプソンズ」特集、「オフィスカジュアル」ファッションの記事とビデオ、そしてASAPのメインニュースブログへのリンクとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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