海外でもそのまま利用できる点も、M1000の大きな利点のひとつ。日本ではドコモの3G規格のFOMAを利用しているわけだが、世界で広く使われているW-CDMAやGSM、GPRSなどにも対応。対応しているならどの国でも、通話だけでなくWebブラウザの利用やEメールの送受信、ショートメッセージなどが利用できる。
初回にドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」の契約をしておけば、海外で使い慣れない海外用端末を使う必要も、端末レンタル費用も必要ない。いつもの端末にいつものFOMAカードを挿したまま、ローミングサービスが利用できる。海外では必ずブロードバンド回線が確保できるとは限らないが、M1000ならメールはもちろん、パソコンを接続してデータ通信端末としても利用できるのは心強い。M1000のローミングが対応している国々と日本を往復する機会の多いユーザーにはおすすめだ。ただし、国際SMSの送信で1通100円かかるなど料金をチェックしておく必要があるほか、韓国ではソウル以外では専用端末が必要となるなど、注意事項も多々ある。実際に利用する国が対応しているか細かくチェックしておこう。
M1000が気になる時点で、普通の携帯電話にないものを求めているユーザーであることは間違いないのだが、買いかどうかはM1000を「法人利用」するのか「個人利用」するのか、また「多機能なケータイ」と見るか「通話できるPDA」と見るかによるだろう。便利な携帯電話として見ると、今まで使い慣れた数々のiモードサイトが利用できない点や、パケット通信が定額制でない点が気になるだろう。ただし、海外との往復がひんぱんにある場合はそれも飲み込めるほど利点は多い。
また、通話できるPDAとしてみれば、とてもよくできた端末だ。アプリケーションの開発に必要な資料も公開されているため、これからキラーソフトが登場してまだまだ使い勝手が良くなる可能性もある。のびしろがある分、PDAとして使い込むには楽しそうだ。
どちらにせよ、パケット通信が従量制である以上、個人利用の場合は無線LANスポットの確保が死活問題。PHSの使い放題プランのような感覚で、どこでも無線LANが使えるような環境があれば理想的だが、とりあえず自分がよく利用する駅やカフェなど、端末を使いたい場所に無線LANが確保されているなら買い、まだ整っていないようなら待ちとも言えるだろう。
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