2003年9月に発表された、キヤノン初のエントリーユーザー向けデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital」から1年5カ月。「キヤノン EOS Kiss Digital N(販促名称:New EOS Kiss Digital)」が登場した。3月17日より発売開始だ。
エントリーモデルながらも、自社開発の約800万画素大型単板CMOSセンサー(2.22×14.8mm:APS-Cサイズ相当)、高性能映像エンジン「DIGIC II」を搭載。約3コマ/秒で、JPEGなら約14枚までの連続撮影が可能、0.2秒の高速起動など、使いやすさと高画質を兼ね備えたモデルだ。
オープン価格だが、本体価格は10万円を切るという発表どおり、量販店などのWebショップでも、9万円台で予約販売が開始されている。
ボディカラーは、シルバーとブラックの2種類で、特殊導電性繊維入りポリカーボネイト樹脂製。特にブラックは、高級感のあるたたずまいだ。実際に手にしてみると、すべり止めが施されていて、コンパクトにまとまっている。いかにもエントリーモデル、といった雰囲気はない。起動時間も速く、思い立ったとき、プログラムAEモードや撮影シチュエーションに合わせたモードダイヤルでサッと撮れば、撮り逃しも少なくなりそうだ。
一方で、画素数と、映像エンジンの部分だけを、ハイアマチュア向けのEOS20D(820万画素、高性能映像エンジン「DIGIC II」搭載)を比較してみると、あまり変わらない。もちろん、CMOSセンサーのサイズ、シャッターの制御範囲や連続撮影枚数、材質といった違いはあるが、EOS20Dの購入を検討していた人には、少し躊躇する材料ができてしまったかもしれない。
本体は、前モデルの「EOS Kiss Degital」(630万画素、映像エンジンDIGIC搭載)よりもさらに13%軽量化されており、本体重量は485gでキヤノンは世界最軽量のデジタル一眼レフカメラだとしている。本体だけ持てばたしかに小さくて軽いが、当然ながら、一眼レフカメラはセレクトするレンズによっても変わってくるので、軽さを求めるなら、レンズ選びにも注意したい。
なお、18-55mmのレンズがセットになった「EOS Kiss Digital Nレンズキット」は12万円程度、18-55mmと55-200mmのセットモデル「EOS Kiss Digital N ダブルズームレンズキット」は14万3千円を切る価格で予約販売が行われている。
今回のNew EOS Kiss Digitalは、非常に魅力のあるデジタル一眼レフカメラだが、画素数が上がるということは、当然ながらその分、画像データのファイルサイズも大きくなってくる。旅行などでたくさん撮りたいときは、まめにPCにデータを移動させたり、大容量のメディアを複数枚持つ必要がある。ちなみに、従来モデルでは、1枚あたり4MB前後だったが、今回のモデルでは5MBを超えそうだ。
一方で、新製品の発売に伴い、旧モデルがレンズ付きで10万円を切るなど、大幅に価格が下がってきており、デジタル一眼レフカメラのエントリーモデルを検討している人には、また迷う材料が増えそうだ。
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