しかし、新たな試みだけに、もちろんリスクも伴っている。もし、その事業化が失敗した場合、派遣された技術者はどうなるのだろうか?
竹内:たとえシリコンバレーでの起業が失敗したとしても、その社員は、リアルコムとして欲しい人材なんです。ですので、引き続き社員として、別のプロジェクトに入って働いてもらうこともあり得えます。
また、それがセイフティネットにもなります。ですので、学生ならノーリスクですね。お金をもらってシリコンバレーに行き、自分のアイデアを事業化して、たとえ失敗してもいい経験になるわけですから。別の会社にいる場合は、リアルコムに転職したのと同じことなので、その会社を辞めることがリスクです。
同社は、実現すべき将来像として、「ITを通じて新しいワークスタイルを実現する。プロセス・組織中心ではなく、『人』中心のワークスタイル。決め事中心ではなく、自律判断中心のワークスタイル」というビジョンを掲げている。今回のプロジェクトもそのビジョンのもと行われている。同社はシリコンバレーのどこに先進性を見ているのだろうか?
竹内:すでにシリコンバレーでは、会社組織ではなく、プロジェクトごとにユニット単位で人材が集まることも珍しくありません。非常に流動性があるんです。新しくマーケティングを行うにしても、その期間だけ雇用すればいいし、ダメならそこで終了すればいい。硬直した会社組織のように、半年の仕事に対して1年契約で給料を払わなくていいんです。非常にコントロールされていて、無駄がない。
また、シリコンバレーにはネットワークがあって、人と出会うチャンスが非常に多い。パーティに出席して、知り合いを掴まえ、自分の企画について説明すると、さらにその知り合いを紹介されたりするわけです。エンジニアも個のつながりを非常に大事にしていて、会社が潰れても問題ないという自信を持って働いています。リアルコムもそういう組織に究極的にはなりたいですね。
社としても、会社の枠を超えて飛び出す人は大歓迎です。シリコンバレーに行っている石川雄樹が開発したRSSフィードサービスの「Social feed」も、空いた時間で作って、回りに見せていたものがその原型になっていますし、ぜひ、我こそはと思う技術者に、SLIを利用してほしいです。
プロジェクトはまだ立ち上がったばかりだが、SILが日本のSE•プログラマ業界に風穴をあけることになるのかどうか、今後に注目したい。
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