毎日あふれかえる情報の中から、自分に必要なものだけを探し出す技術に注目が集まっている。しかし、マイネット・ジャパンが運営するソーシャルニュースサイト「newsing」では、コンピュータよりも人間の手が持つ力を信じている。
newsingは7月27日、ユーザーごとに新しいマイページを用意してコミュニティ機能を追加した。ユーザーの価値観に近い人が選んだニュース記事だけを表示し、ユーザーにとってより価値の高い情報を届けるのが狙いだ。
お気に入りのユーザーを登録すると、その人がnewsingに投稿したり、○を付けたりした記事が、ユーザーのマイページに表示される。これまでnewsingはすべてのユーザーの間で人気のある記事をトップページに表示していたが、今回の機能追加により、ユーザーが選んだ人たちが注目する記事だけを表示できるようになった。
マイネット・ジャパン代表取締役社長の上原仁氏は、今回の新機能について「newsingを始めたときからやりたかったこと」と話す。ニュースサイトやブログなどからたくさんの情報が発信されている一方で、必要なものだけを取捨選択できるツールはまだあまりない。「自分の好みに近い人たちが集まって、『今日の10本』を選んでくれないかなと思っていた」(上原氏)
機械的にスクリーニングするのではなく、人に注目したのは「人にとって必要な情報は、その人の人間関係によって定義される」(上原氏)という考えに基づくものだ。たとえば仕事で必要な情報は、一緒に仕事をする人たちがどんな人かによって変わってくる。それならば、人間関係をうまくランク付けに反映できないか――こんな思いがnewsingの根底にあるのだ。
「newsingは最もWeb 2.0的なサービスだと思っている。それは、ウェブ上のみんなの意見で情報を精査し、みんなの意見が反映された状態でコンテンツが整形されているものだ」(上原氏)
多くの人が評価した記事が抽出されて表示されるサービスとしては、ソーシャルブックマークもある。しかし上原氏は「ソーシャルブックマークは自分が後で読むために記事を登録するが、ソーシャルニュースは他人に見せるために登録する」と違いを説明。このため、上位にくる記事はソーシャルブックマークの場合、HowToものが多いのに対し、newsingでは話題になりやすいニュースが多いという。
今後はモバイル版のnewsingにも同様の機能を入れていくほか、ユーザーがアクセスした時間によってnewsingのトップページに表示される情報を変えるなどの機能を追加し、ユーザー数とアクセス数を増やすことを狙っている。
また同じタイミングでモバイルサイトのリニューアルも行った。新着newsing、Daily newsing、カテゴリ別記事、記事検索機能が携帯電話から閲覧可能となっており、PC版とほぼ同等の機能を備える。これに伴い、newsingモバイルサイトから記事本文が参照された場合も、記事に対するポイントが加算されることとなった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」