ライブドアは7月24日、自社サービスの「livedoor メール」にグーグルが提供する無料メールサービス「Gmail」を全面採用すると発表した。8月中旬よりGmailベースのデザイン、バックエンドシステムとしてサービス展開する。
同社はネットサービス事業の黒字化におけるコスト削減と新規登録会員数の回復、グーグルは自社で提供する検索サービス利用者の増加と広告配信枠の拡大を狙う。
Gmailを大手ポータルサイトが全面採用するのは今回が初めて。ライブドアは今後、Gmailのサービスを自社ブランドで展開することとなり、事業コストという側面においては「月間数千万円のコスト削減になる」(ライブドア広報)。新生ライブドアをうたい、ネットサービス事業の黒字化を目指す同社の狙いに貢献しそう。
サービス内容については、ライブドアの従来サービスにおけるメールボックス容量上限は、これまでの1Gバイトから2Gバイトに増量。グーグルの技術により、メールを分類することなく検索可能になるという。
また、グーグルの持つスパムフィルタ技術により、迷惑メールをブロック。ライブドアではこれにより、自分のメールアドレスをブログやSNSなどにおいて、不特定多数に対し、安心して公開できるとしている。
さらに、Gmailの採用に伴い、新メールアドレスは、サブドメインの記載が必要なくなるため、短縮されてより簡潔なメールアドレスになる。なお、旧メールアドレスに届いたメールについては、自動的に新アドレスに転送される。
過去に受信したメール履歴のデータ移行に関しては、ユーザー各人で移行作業が必要。ライブドアでは、ユーザーへの告知、データ移行開始を8月中旬から開始し、過去の受信メールの移行猶予期間を最低3ヶ月間設ける予定となっている。
ライブドアはコスト削減の狙いの一方、「Gmailの登場で無料メールサービスの新規会員獲得数に影響が出ている」(同)とGmailに対する利用者からの支持が高いことを重要視した。また、グーグルは日本大学など社外にGmailのシステムを提供するなどの展開も積極化しているため、今後、コスト面と需要双方の観点からGmailの採用を検討する無料メール事業者も出てきそうだ。
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