企業連携の“win-win”には必然の流れあり - (page 2)

勝屋氏:担当者レベルでつながっていた案件が会社対会社のディールになるというのは、実は簡単ではないと思うんですが、そこはどう乗り越えていったんですか。

河端氏:そこは福岡さんのご尽力です。我々としては1〜2%のシェアでどこまでやってもらえるのか見えなかった部分もありましたが、オプトの中でアフィリエイトチームを作ってもらえたんです。具体的にどういう風にすればいいか我々の方にもヒアリングがあって……。

福岡氏:常駐とまではいきませんが、週に1〜2回は来てもらって、丸一日、相談に乗ってもらいました。

河端氏:そうです。その頃はまだメンバーも少なかったので、すぐに人材を採用して常駐できるようにしたんですよね。オプトもアフィリエイトチームにエース級の人を出してくれて、そこでいろいろな骨格を固めていったんです。

福岡氏:オプトのアフィリエイト事業は、アフィリエイトネットワークをフル活用すると決めて、PCのアフィリエイト事業はインタースペースさんに任せ、モバイルはアドウェイズさんに任せるという方針を社内で調整しました。 あとは、僕は、オプトの社員に対して、河端さんの魅力とか、インタースペースの素晴らしい社風を一生懸命に伝えました。結果的に、投資先企業とのシナジーが生まれ、売上高が激増しました。オプトの社員からも感謝されました。素晴らしい経験でした。

勝屋氏:先ほどクライアントとの関係でもwin-winの話が出ましたが、オプトとの関係でもwin-winになれたわけですね。

河端氏:そうですね。短期間の間に売り上げは倍くらいになったと思います。

福岡氏:投資資金は、販売コミッションのみで回収することができました。そのうえで、IPOによる利益を得ていることになります。

勝屋氏:オプトの事業にも貢献できていると。

福岡氏:はい、アフィリエイト事業を支えてくれました。

勝屋氏:会社と会社の関係もありますが、河端さんから見て、福岡さんがいてくれて良かったと思う点はどんなところですか。

河端氏:最初にスキームを作ってきちんとやってくれるというのも当然あるんですが、その後も何かあった時にはすべて相談に乗ってくれるんです。ですから我々としてはそこで繋がっているという安心感があります。現場ではいろいろ問題が生まれることも多いんですが、そういうことも福岡さんに相談すると適切な調整をしてくれるので本当に安心です。

福岡氏:僕ができるのは本当に調整だけなんです(笑)。でも、振り返ってみれば、確かに、事業面、投資面、両面で大成功した素晴らしい案件だったと思いますね。

 インタースペースさん、アドウェイズさん、両社にオプトのアフィリエイト事業を支えてくださいとお願いして、見事に両社が上場しました。事業会社の投資案件としては、ピカイチの案件だと思います。

勝屋氏:確かにそうですね。ところで、福岡さんがオプトに入った経緯を教えてください。

福岡氏:大学を卒業する時点で何をしたいか分からなかったので最初は商社を選ぼうと三菱商事に入社しました。商社を辞めた後、コンサルタントになりましたが挫折、エルゴ・ブレインズで業界デビューを果たしましたが、 個人的なプチバブルが崩壊してプータローになりました。その後、セプテーニ、再度のプータローを経てオプトに入社しましたが、振り返ればかなり無茶苦茶な経緯です。

 結局、それぞれのターニングポイントで誰に一番必要とされていて、誰のチームに入れば自分の力が一番発揮されるかというようなことを考えて動いたように思います。

 「ワクワクする人とワクワクする仕事をする」ことがライフワークです。

河端氏:福岡さんの存在で明らかに業界としては底上げされたと思います。僕らからすればスターですよね。ずっとマーケットを引っ張っていく存在で、すごい人だなという印象です。

勝屋氏:今の仕事は楽しいですか。

福岡氏:ネット業界で働くことはムチャクチャ楽しいです。インターネットという新しい習慣によって人間が変わろうとしてるじゃないですか。そういう変わろうとする人や時代のエネルギーの中にいると、自分がすごくイキイキとしてることを感じますね。

オプト 執行役員 事業戦略本部長
福岡 裕高(ふくおか・ひろたか)

1994年名古屋大学法学部卒業、三菱商事に入社。エネルギーグループにて石油製品を取り扱う。2000年1月にエルゴ・ブレインズの東京オフィスを立ち上げる。 営業担当役員を経て、代表取締役社長兼COOとして2002年にナスダック・ジャパンに上場を果たす。その後、プータローを挟みながら、セプテーニ、オプトを渡り歩く。2005年1月に入社したオプトでは、事業提携を目的とした投資業務をはじめ、広告代理事業以外の業務を“なんでもや”として担当する。

趣味:ゴルフ、会食、仕事(笑)

投資先:インタースペース、アドウェイズ、ウェブドゥジャパン、アルバ、モバイルファクトリー、ユニメディア、ブレイナー、コムスクエア、モードツー、シナジーマーケティング、グローブコミュニケーション、リアルコミュニケーションズ、リンクシンク、ホットリンク、ディマージシェア、デジタルフォレスト、ペットゴー、ウノウ、北京欧芙特信息科技有限公司など。

河端さんの印象は「最後の最後は踏み止まれる腹の括り方を知ってる、そういう紳士&真摯な態度でブレない人です。仕事抜きで長くお付き合いしたいと思っています」

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]