業績好調の見通しを背景に、日本オラクルの株価が反転上昇の兆しを見せ始めている。同社は7月5日に前々期比で2ケタ増収増益の2007年5月期の決算(非連結)を発表。さらに今期の2008年5月期の業績予想も引き続き好調な推移と見込まれることから、株価の上昇にも拍車がかかりつつある。
7月5日に発表した同社の2007年5月期の決算は、売上高1007億円(前々期比10.1%増)、営業利益367億円(同14.5%増)、経常利益371億円(同15.5%増)、税引き利益221億円(同16.6%増)と2ケタの増収増益を達成した。
主力のソフトウェア関連では、データベース・テクノロジー部門で日本版SOX法に対応するためのセキュリティ強化や、コンプライアンスを目的としたシステム構築の重要性の高まりを受け、ID管理製品をはじめ、成長基盤として注力しているフュージョン・ミドルウェア製品などの販売が拡大した。
また、ビジネス・アプリケーション部門ではソリューション提案能力の向上により大型案件の獲得に成功し、売上高は前々期比63%増と急拡大を見せた。さらに、アップデート&プロダクト・サポート部門では、顧客の競争力強化に欠かせない情報システムの保守・運用についての意識の高まりが寄与し、販売数の増加につながった。
2008年5月期業績について同社では、売上高1183億円(前期比17.4%増)、営業利益395億円(同7.4%増)、経常利益395億円(同6.2%増)、233億円(同5.3%増)と堅調な推移を見込んでいる。これにより、2期連続の経常最高利益更新となる見通し。また、年間配当は前年実績より9円増配の173円とする方針だ。
今期は、日本オラクルインフォメーションシステムズとの協業体制の強化により、すべてのライセンス販売、サービス提供が一本化されることが売り上げ面での増加に大きく寄与することになる。さらに、システム同士をつなげ、不正アクセスを防止する機能などを持つミドルウェアや、会計管理や顧客管理などの統合基幹業務システム(ERP)を中心とするアプリケーションも拡大する見通しだ。
同社の株価は、4月5日に年初来高値の5750円をつけて以降ほぼ下落トレンドをたどっていたものの、6月7日の5170円で安値を付けて以降は順調に反転上昇軌道に戻りつつある。先週後半には、一時5490円まで買い進まれるなど、年初来高値の5750円をようやく射程圏にとらえてきた。
現在、予想PERは約30倍と割安感には乏しいものの、配当利回りは3.2%と非常に高い水準にありこの点では依然として買い余地は十分だ。中期的には、年初来高値の5750円を超えてくれば、6000円台乗せを目指す展開も十分期待できそうだ。
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