TBSが不当な有価証券取得をした疑いがあるとして楽天は7月6日、TBSの会計帳簿閲覧を求める民事訴訟を東京地裁に起こした。同社は特定の安定株主とTBSの株式持ち合いの経緯について、徹底追及する方針。
楽天のTBS株式大量取得により、TBS側の反発を受けながらも業務提携の可能性を探ってきた両社だが、今年に入り再び緊張関係に突入。平行線を辿った買収防衛策導入などのTBS側の主張、役員派遣などの楽天の提案は株主総会の判断に委ねられ、6月28日、株主はTBS側の主張を支持した。
しかし、楽天は株主総会開催前から、TBS側が違法性または不当性の伴う安定株主工作をしてきたのではないかとし、その疑いを調査するためTBSの会計帳簿閲覧および謄写などを求めていた。
その疑いの根拠としているのは、TBSが2007年3月期までの2年間に株式取得のため900億円超の支出があった点。そのため楽天は6月6日に東京地裁、6月18日に東京高裁へTBS会計帳簿閲覧を求めた仮処分請求をしたが、両件とも退けられていた。
楽天は今回の提訴について「TBSが買収防衛策を発動するか否かを決定する可能性を想起すると、TBS株主の皆様の意思決定にとっても重要なものであると判断した」とコメント。TBS広報は本件について「正式に訴状が届いていないのでコメントすることはできない」としている。
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