企業がムンバイ、バンガロールなどのインドの都市にデリバリーセンターを設置しようとする理由は主として、手ごろな賃貸料、安い労働力、国民の識字能力という。だが、このオフショアトレンドは近い将来に変わりそうだとIDCは予想している。
IDCは、グローバルデリバリー向けのオフショア先として、2011年には中国の都市がインドを追い越すだろうと見ている。これは、IDCのGlobal Delivery Index(GDI)の数値をベースにした予測だ。
GDIは、労働コスト、賃貸料、言語能力、離職率などを基準に基づき、アジア太平洋地域の35の都市がオフショアデリバリーセンターに適しているかを評価している。都市の中には、オーストラリアのアデレード、バンガロール、中国の大連、ベトナムのハノイ、マレーシアのクアラルンプールなどが含まれている。
IDCのアジア太平洋ビジネスプロセスアウトソーシングリサーチ担当リサーチマネージャーであるConrad Chang氏によると、上位にランクされる都市の差別化要因となっているのは、エージェントのスキルや政治的リスクといった「取引の決め手となる要因へのフォーカス」だという。
7月3日に発表した報道資料で、Chang氏は、「アウトソース、オフショア、オンショア、ニアショアを評価する際、リスク要因はそれぞれ異なる」と述べている。「他よりも重要性が高い要因がある」とChang氏。
Chang氏はまた、インドの都市はGDIが定めた基準で高い評価を得ているが、4年後には順位や評価は変わっている可能性があると述べる。
2007年のGDIでは、上位にランクされた中国の都市(北京、上海、大連)はインドより順位が下だが、IDCでは2011年には中国はインドの都市を追い越すと予想している。
IDCによると、これは、インフラ開発や、技術スキル、インターネットの接続性などオフショアリングに有利となる分野に、中国が膨大な量の投資を行っているためだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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