インテルが2007年末より、モバイルWiMAXに対応した新しいチップセットの生産に乗り出すことがわかった。早ければ2008年にも、このチップセットを搭載したノートPCが市場に登場しそうだ。
これは6月28日に東京都内で開催されたイー・アクセスおよびイー・モバイル主催のセミナー「モバイルWiMAXはブロードバンド革命を起こせるか」において、インテル事業開発本部政府渉外部長の杉原佳尭氏が明らかにしたものだ。
インテルは無線LAN対応チップ「Centrino」を2003年に出荷し、多くのノートPCに搭載させた実績がある。同様の取り組みをモバイルWiMAXでも行い、対応機器を一気に普及させることを狙っている。このチップセットはモバイルWiMAXのほか、移動中は利用できない固定型のWiMAXや無線LANにも対応するという。
インテルがWiMAXにこだわるのは、「コンピュータを使ってもらうときに、今の電話ベースのネットワークでは料金や周波数幅で問題がある」(杉原氏)という考えによるもの。特に技術ライセンスが高く、携帯電話のネットワークを利用したチップセットは安く作れないという問題を抱えている。コンピュータ技術から生まれたIPベースのWiMAXであればデータ通信との相性がよく、しかも安いライセンスでチップセットを作れるというわけだ。
チップセットの価格については、「多少高くなるかもしれないが、CPUの集積度は進んでおり、処理速度などを考えると割安かもしれない」(杉原氏)としている。
総務省は2007年秋にも、モバイルWiMAXの事業者に免許を交付する計画だ。また、6月26日に公開されたモバイルビジネス研究会の報告書では、モバイルWiMAXの通信チップがPCに内蔵される可能性を踏まえて、モバイルWiMAX機器の認証制度を2007年中に整える必要があると指摘している。
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