ボストン発--eBayが同社の技術インフラストラクチャを再構築し、第三者が開発したアプリケーションをホスティングできるようにする取り組みを進めている。
eBay社内で「eBox」と称されている同プロジェクトは、「eBay.com」サイトの技術的な基礎を作り直し、一個の統合的なアプリケーションではなく、一連のモジュラーサービスとして利用できるようにするというものだ。
プロジェクトを推進しているeBay Research LabsのシニアディレクターEric Billingsley氏によれば、社内のエンジニアや外部の開発者などに、これらのサービスを新たなアプリケーションを作製する際の基盤として使用させることが取り組みの目的だという。
Billingsley氏は米国時間6月12日、当地で開催されたeBayの開発者カンファレンスにおいて、同氏が「オープンプラットフォーム」と呼ぶ同プロジェクトについて発表する予定だ。同氏はこの前日にCNET News.comからインタビュー取材を受け、新たな技術の詳細や、サービス指向アーキテクチャ(SOA)を導入する意図を説明している。
eBoxでは、あらかじめ用意されているサービスを組み合わせ、追加的なコーディングを行わずに新たなアプリケーションを作製できるため、開発時間が短縮されることになる。検索や在庫管理といったeBayの全機能が、APIを介してサービスとして利用可能になるという。
Billingsley氏は、SOAのアプローチを活用することで、eBayのエンジニアは簡単に機能を拡張していけるようになると話した。またこれらのサービスは、新プラットフォームの準備が整い次第、eBayアプリケーションを開発している外部の開発者らにも開放される見込みだ。
「こうした実験的なフレームワークを用いて、ソフトウェア開発を試みていくつもりだ。外部の開発者が同フレームワーク内でアプリケーションを作製し、eBayシステム上で実行できるようになる日もそう遠くない」(Billingsley)
eBayは2007年の第2四半期中に、同フレームワークの運用を社内で開始する予定だ。
Billingsley氏は、部外者も同じ開発フレームワークを利用できるようにしたいと述べているが、一般向けリリースの期日などはまだ決まっていない。プロジェクトの全過程が終了するには1〜2年程度かかると、同氏は話している。
もっともeBayの広報担当官Hani Durzy氏は、eBoxを外部開発者に提供するかどうかに関して、同社は何の決定もしていないと注意を促した。
「eBoxの研究開発チームは、あらゆる可能性を積極的に追求している。ただし、われわれが目指している方向については、まだ正確な答えを提示できる段階ではない」(Durzy氏)
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