早速SE210にソフト・フォーム・イヤパッドを付けて装着したところ、まずはその耳に吸い付くようなフィット感と抜群の遮音性に驚かされた。まるで耳栓をしたように周囲の雑音が聞こえなくなり、通勤で混みあう電車内が全くの別世界に感じられるほどである。確かに、使い始めはベストポジションに装着しづらかったり、ケーブルを耳の上部にかけて後頭部へ回りこませる方式に違和感を覚えるかもしれないが、慣れてしまえば逆にしっかりと固定できズレなども少ない。
ケーブルの長さについては本体が約45cmと、E Seriesよりも大幅に短くなっている。これは、胸元に「iPod shuffle」を取り付けたり、ポータブルプレーヤーのリモコンを接続したいユーザーにとっては丁度良い長さといえるだろう。もちろん91cmの延長ケーブルも付属しているので、プレーヤーをバッグなどに入れて音楽を聴く場合も安心だ。
肝心の音質面はといえば、全体のバランスを崩すことなく、管楽器などの高音域まで美しく表現されている。変に色付けをせず、プロのミュージシャンが伝えたい音をストレートに出力してくれるので、ロックやポップスはもちろん、クラシックなど繊細な楽曲を聴くのにも向いているだろう。また、ここでもソフト・フォーム・イヤパッドの遮音性が活きており、ノイズキャンセリング機能とは違った独特のリスニング環境を生み出している。
次にSE310で同じ楽曲を聴いてみたところ、ドライバ周辺の空気の流れを改善する「チューンド・ベースポート」の影響からか、SE210と比べて低音に厚みが増している印象を受ける。しかし、単に低音だけを強調したイメージではなく、むしろ低音の増強により他の音が引き立てられているといった感じだ。
また、SE210とSE310は音楽を聴かない時も、耳に装着しているだけで抜群の遮音効果が得られる。これは、ノイズキャンセリング機能の“作られた遮音空間”という印象が苦手なユーザーにもぜひオススメしたいところ。ただし、車内アナウンスなど人の声も聴き取りづらくなるため、電車の乗り過ごしには十分注意していただきたい。
高音と低音が強調された、いわゆる“ドンシャリ系”の音が好きな人は少々物足りなさを感じるかもしれないが、両製品ともに同価格帯ではトップクラスの実力といえるだろう。なんといっても、絶妙なフィット感と密閉性を兼ね備えたソフト・フォーム・イヤパッドは一聴の価値ありだ。
SHUREからは既に上位モデル「SE420」「SE530」「SE530PTH」が発表されている。SE530は既存ラインアップの「E500」を名称変更し「PTH(Push-To-Hearコントローラ)」の有無に分けたものだが、SE210とSE310のクオリティを考えると、いずれも発売が待ち遠しいところだ。
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